採用調査 – 経歴詐称詐欺師 | Japan PIの調査事例

Japan PI >> ブログ >> 採用調査 >> 採用調査 – 経歴詐称詐欺師 | Japan PIの調査事例
Scammer

経歴詐称詐欺の常習犯の調査事例を紹介します。この人物は、氏名・年齢・肩書を全て詐称し、高属性な人材になりすまして、高収入を獲得する詐欺を繰り返していました。

超ハイスペック人材

エンジニア系の中規模法人から、アメリカ帰りの超ハイスペックな人材について、採用後の人事調査の依頼を受けました。

対象者は、有名市立大学の幼稚舎からエスカレーターで大学へ進学しました。その後、アメリカへ留学し、MBA取得後、カリフォルニア州の大手グローバル企業に20年勤続していた、43歳の男性です。管理職として採用されましたが、入社後3ヶ月目、社内の噂で英語力やITリテラシーに問題があるとの噂が出てしまいました。経歴詐称の疑いがある為、調査依頼となりました。当初は、育ちの良さが感じられる事から、日本での経歴は疑いがないが、アメリカでの経歴チェックのみの調査で構わないという、指示でした。

経歴調査の結果

採用後ではありますが、従業員に経歴詐称の疑いが発生した為、まず、基礎的な学歴や経歴の確認を行うことになりました。

学歴や職歴の確認

早速、氏名・生年月日等で、アメリカでの学歴や居住歴や職歴を確認した。しかし、該当のデータは浮上しませんでした。アメリカでの学歴や居住履歴の該当が浮上しませんでした。アメリカでの経歴が詐称である可能性が高いことを受けて、更に、日本での学歴の追加確認も請け負いました。その結果、日本の大学の卒業履歴も確認できない状況でした。

その結果、この人物に関する全ての情報の確認調査を行うことになりました。しかし、まず第一に、経歴書に記載された現住所で、本人の住民登録が確認されないことが明るみに出ました。

依頼者法人が、本人に現住所になぜ住民登録が無いか問いただすと、アメリカから住所を転入させていないとの回答でした。ただし、住民登録が確認できないとなると、他の全ての身元情報の調査が困難になります。ただし、対象者の全ての経歴が完全にでたらめである可能性が出てきました。

行動確認調査

全ての経歴が全くでたらめであることから、数日間の行動調査を行いました。すると、退社後毎夜、勤務先から自宅まで4,000円かけてタクシーで帰宅している事確認されました。また、健康診断で休暇を取った日は自宅から一歩も出ませんでした。その日、自宅マンションのベランダで喫煙する本人の姿も撮影しました。

本人自体も、自身が疑われている事を感じて、故意に出勤しないようにしている様子もありました。自宅は申告通りで間違いありませんでした。しかし、外見的に自己申告の年齢の43歳にはとても見えません。実年齢は50歳代の半ばではないかと思われました。

徹底的な身辺調査

行動調査と同時に、徹底的な居住者情報の洗い直しを行ったところ、衝撃の事実が発覚しました。

  • 身分確認で提出していたパスポートのコピーは偽造であり、氏名の漢字表記は本当であったが、ヨミカタが変造されていた。(本名の姓は秋山であるが、旧華族の出身で、ヨミカタは、シュウヤマであると自己申告していた。)
  • 実際の生年月日は、申告より12歳上の同一月日であった。
  • 虚偽の氏名ヨミカタと生年月日で社会保険を入手していた。
  • 訴訟記録調査により、数年前にも当時の勤務先で横領事件を起こした前歴がある事が判明した。
  • 過去2回の海外出張時の領収書も偽造されおり、出張の事実はなく、出張経費の60万円超を横領していた。

上記の調査結果の通り、解雇事由は十分であるばかりか、詐欺罪・公文書偽造罪等で刑事告訴する十分な証拠が集まりました。しかし、依頼者法人としては、刑事告訴しても経済的メリットがないことから、刑事告訴を圧力材料として、詐取した金品の返還を求める証書を本人に署名させ、即刻、本人を解雇する処置を取りました。

結局、この経歴詐称詐欺師は、詐欺が発覚しても、雇用法人が、法人の信用維持から刑事告訴を控えることを見越して、何度も、このような詐欺行為を繰り返している状況でした。

以下がこの経歴詐称詐欺師の実際の写真です。

経歴詐称詐欺師

経歴詐称が横行する原因 

一体なぜこのような経歴詐称詐欺が横行するのか、原因を考えてみました。

身分確認ができない

現代の日本社会では、個人情報保護法において、第三者開示が必要となる事例についての特例措置が欠落しています。そのため、採用、取引、商行為等、デューデリジェンスが当然必要となる場面において、対象者の身分確認が困難な事態が発生しています。

日本は、国民共通番号制度(マイナンバー)の普及が、例外的に非常に遅れている特殊な事情が、信用度の確認や身分確認を困難にしている原因の一つです。もちろん、国民共通番号以外での、身分確認では、以下のよう可変情報(本人の意思で変更可能な情報)に基づく確認しかできません。

  • 氏名ヨミカタと生年月日
  • 氏名と住所
  • 筆頭者名と本籍

可変情報からしか身分情報が特定できないということは、悪意のある人物にとっては、情報操作ができる余地があるということです。つまり、氏名や住所や本籍等を変更してしまえば、データ登録上、簡単に別人になり済ませるということです。

公的な身分証明書に氏名ヨミカタの登録がない

住所や本籍等は当然変わるのは理解できるだろうが、氏名だって結婚や養子縁組み等で簡単に変更できます。

また金融機関等は慣例として、「氏名のヨミカタと生年月日」を身分確認のキー情報としています。日本では、マイナンバーがいまだに普及していない事情があり、統一した身分証番号システムがありません。そのため、「氏名ヨミカタ+生年月日」が身分証番号の代用となっているのです。

しかし、氏名のヨミカタは免許証や住民票にも記載されていないのが普通です。ですから、氏名のヨミカタは自己申告で勝手に変更できるのです。

ただし、一部自治体で、氏名ヨミカタが住民票に記載されています。また、マイナンバーのデータベースでは、実際、氏名のヨミカタが登録されていますが、住民票への出力の際うんは、氏名のヨミカタが出力されまないのです。

たとえば、田中健一はタナカケンイチ、タナカタケカズ、タナカタケイチ、デンチュウ ケンイチ、デンチュウタケカズ、デンチュウタケイチ、デンナカケンイチ、、、等10種類以上のヨミカタの組み合わせを作ることができる。デンチュウなんて変だなと思うかもしれないが、「うちは旧華族の出身で特殊な姓なんです」等と言われれば信じざるを得ない。

公的な写真付き身分証明書がない

写真付き身分証がスタンダードでないことも問題です。運転免許証もパスポートもマイナンバーカードも、所持や取得が義務ではありません。

「マイナンバーカードも、運転免許証も、パスポートもありません」と言われれば、写真での身分確認が不能となってしまいます。

経歴詐称のよくあるパターン

以下、経歴詐称詐欺師のよくある犯行手口について列記します。

  • 生年月日の月日のみ本物で12才サバを読む(干支や星座を聞かれてもぼろが出ない)
  • アメリカに在住していたと語る(ハクをつけたり、身分証の提出を避ける)
  • 学習院や慶応幼稚舎出身等上流階級であることを語る
  • 本人や親族が医者や弁護士であると語る
  • 海外でMBAを取得したと語る
  • etc.

関連する記事

採用調査のプロ、Japan PIにご相談ください

Scroll to Top