採用調査・雇用調査
by Japan PI
採用調査(雇用前調査)とは
採用調査の概要
採用調査(Pre-Employment Screening)とは、採用候補者について、業務適格性の判断に必要な範囲で、経歴・学歴・資格の真正性、前職での勤務実績、および職務に関連するリスクを検証する調査です。
欧米では、採用プロセスにおけるバックグラウンドチェックは標準的な手続きとして定着しており、多くの国で候補者の同意に基づく犯罪記録照会やクレジットチェックが法的に認められています。一方、日本では個人情報保護法および職業安定法の枠組みにより、収集できる情報が厳格に制限されています。厚生労働省の指針は、応募者の適性・能力に関係のない事項(本籍・出生地、家族の職業や収入、住宅状況、思想・信条、宗教、支持政党、購読新聞、労働組合活動歴など)の収集を明確に禁じています。
この違いを理解しないまま海外本社の基準をそのまま日本に持ち込むと、法令違反のリスクを生じます。逆に、制約を理由に何も確認しなければ、経歴詐称や重大なリスクを抱えた人物を採用してしまいます。当社は、日本の法令が許容する範囲を厳密に守りつつ、その範囲内で最大限の検証を行うというアプローチを取ります。
具体的な調査内容
- 職歴の真正性検証(在籍期間・役職・雇用形態の照会)
- 学歴・学位の真正性検証(国内・海外/ディプロマミルの判別を含む)
- 保有資格・免許の実在確認
- 他社役員兼任・自己法人保有状況の調査(登記に基づく)
- 職務関連性のある公開情報・報道情報の確認
- 海外での経歴・学歴・資格の検証(WAD/CIIネットワーク経由)
- 英文報告書の作成、および日本の法的制約に関する英文説明
よくあるお悩み
このようなお悩みはありませんか?
経歴書の裏付けが取れない
幹部候補・専門職の採用にあたり、記載された学歴・職歴・資格を確認したい。空白期間の理由も判然としない。
金銭を扱うポジションが不安
経理・財務・購買など、金銭や与信に関わる職位の採用でリスクを抑えたい。過去に経歴詐称による採用失敗を経験している。
海外経歴が確認できない
海外での職歴・学歴について、日本国内からは確認手段がない。学位授与機関が実在するのかも分からない。
海外本社と法令が食い違う
本社からフルバックグラウンドチェックを求められたが、日本の法令上どこまで可能か分からず、説明もできない。
副業・競業のリスクがある
候補者が他社の役員を兼任していないか、競業避止義務や秘密保持義務を負っていないか確認したい。
差別的な調査にならないか不安
採用調査を外注したいが、法令に抵触する調査項目が含まれてしまわないか懸念がある。
調査会社を活用する最大のメリット
「引き受けない範囲」を明示できることが、最大の価値です
採用調査は、他の企業調査と根本的に性格が異なります。やりすぎれば違法であり、企業のレピュテーションを直接毀損します。厚生労働省の指針に抵触する調査項目、差別につながる情報の収集は、それ自体が重大なリスクです。
当社は、受任前に、ご要望の調査項目のうち、どれが法令上実施可能で、どれが実施できないかを明確に区分してご提示します。実施できない項目については、その理由を説明し、代替となる適法な確認手段をご提案します。この姿勢こそが、企業の法務リスクを守ります。
日本の制約を、英語で正確に説明できる
- 実施可能な範囲——経歴・学歴・資格の真正性検証、前職への在籍照会、公開情報に基づくレピュテーション調査、登記に基づく他社役員兼任状況の確認、報道された事案の調査——については、社内の人事部門では到達できない精度で検証します。
- 海外クライアントに対しては、日本の法的枠組みを根拠条文とともに英文で説明した上で、実施可能なスコープを定義した英文報告書を提出します。
この「日本の制約を、英語で正確に説明できる」ことが、当社が多くの外資系企業から選ばれている理由です。
当社は公安委員会に探偵業開始届を提出した届出業者です。法令の範囲内で適正に調査を実施し、調査の可否について誠実にご説明することを基本方針としています。
主な調査サービス
主な調査サービス
01
職歴の真正性検証
在籍期間、役職、雇用形態について照会を行い、申告内容との突合を実施します。
02
学歴・学位の真正性検証
国内・海外の教育機関に照会し、学位授与機関としての正当性(ディプロマミルでないか)も検証します。
03
保有資格・免許の実在確認
公認会計士、弁護士、技術士等の資格について、登録の実在を確認します。
04
他社役員兼任・自己法人の調査
登記に基づき、候補者が役員に就任している法人、実質的に支配している法人の有無を確認します。利益相反の検出に有効です。
05
職務関連性のある公開情報調査
報道情報、SNS、公開情報のうち、職務適格性に関連する範囲に限定して調査します。
06
前職におけるレピュテーション調査
業務遂行能力や勤務態度に関する第三者所見を、適法な範囲で収集します(本人同意を推奨)。
07
海外経歴・学歴の検証
WAD/CII の国際ネットワークを通じ、現地の提携調査会社と連携して照会します。
08
英文報告書・法的制約の英文説明
実施可能なスコープの定義と、日本の法的制約に関する説明を、英文で提供します。
調査事例
調査事例
事例①
外資系企業の日本法人CFO候補の採用前調査
事案の概要
外資系企業の日本法人が、CFO候補者について採用前調査を依頼しました。海外本社は、本国基準での「フルバックグラウンドチェック(犯罪記録・信用情報を含む)」を要求していました。
調査のポイント
この案件の第一の課題は、調査そのものではなく、本社に対して「日本ではそれができない」ことを、法的根拠とともに説明することでした。制約を説明できないまま調査に着手すれば、期待値と成果物が乖離します。
当社の調査対応
まず、日本において第三者が個人の犯罪記録および信用情報を照会することは法的に不可能である旨を、根拠条文とともに英文で説明し、本社の理解を得ました。その上で、実施可能な調査項目——職歴・学歴の真正性検証、公認会計士資格の実在確認、他社役員兼任状況の登記調査、報道情報の確認、業界内レピュテーション調査——を定義し、実施しました。調査の結果、候補者が申告していた海外大学のMBA学位について、当該教育機関が学位授与権を持たない、いわゆるディプロマミルであったことが判明。また、日本国内の職歴のうち1社について、申告された役職と実際の在籍記録に相違が確認されました。依頼者は採用を見送り、同時に「日本の法令下で実施可能な調査スコープ」が本社と共有されたことで、以降の採用プロセスが標準化されました。
事例②
経理責任者の採用における兼業・利益相反の検出
事案の概要
製造業の中堅企業が、経理責任者として採用予定の候補者について調査を依頼しました。候補者の経歴書に、一見して不審な点はありませんでした。
調査のポイント
経歴書の記載が正しいことと、記載すべきことがすべて記載されていることは、別の問題です。登記情報は、候補者の申告に依存しない、数少ない客観的な情報源です。
当社の調査対応
登記調査により、候補者が個人で設立した法人の代表取締役に現在も就任しており、当該法人が依頼者の取引先と同業種であることが判明しました。候補者はこの事実を申告していませんでした。さらに、当該法人の登記上の本店所在地が、候補者の現職の勤務先所在地と同一であることも確認されました。当社は、確認された事実のみを報告し、採用可否の判断や候補者の人物評価は行いませんでした(それは依頼者の人事判断であるためです)。依頼者は候補者に事実確認の機会を設け、説明を求めた上で、最終的に採用を見送りました。
よくあるご質問
よくあるご質問(FAQ)
日本では、採用時にどこまで調べてよいのですか?
厚生労働省の指針により、応募者の適性・能力に関係のない事項——本籍・出生地、家族の職業や収入、住宅状況、生活環境、思想・信条、宗教、支持政党、購読新聞、尊敬する人物、労働組合活動歴など——の収集は認められていません。調査可能なのは、業務適格性の判断に必要な範囲に限られます。当社は、ご要望の調査項目を法令に照らして仕分けし、実施可否を明示した上で受任します。
候補者の犯罪歴を調べてもらえますか?
日本において、第三者が個人の前科・前歴を照会する手段は存在しません。犯罪経歴証明書は、海外移住や海外勤務など限定的な目的で、本人が申請する場合にのみ発行されるものです。ただし、逮捕・起訴が報道された事案については、新聞記事データベースやアーカイブから確認できる場合があります。海外での犯罪記録については、当該国の法令および本人の同意に基づき照会が可能なケースがあります。
候補者本人の同意は必要ですか?
調査項目によって異なります。前職への在籍照会など、対象者本人または第三者への接触を伴う調査については、本人の同意を得た上で実施することを強く推奨します。同意取得の運用については、貴社の人事・法務部門および顧問弁護士とご相談の上、設計をご支援します。
海外の学歴・職歴も確認できますか?
可能です。WAD・CIIの国際ネットワークを通じ、現地の提携調査会社と連携して照会を行います。学位授与機関としての正当性(ディプロマミルでないか)の検証も含めて対応します。
調査していることが候補者に伝わりませんか?
公開情報・登記情報に基づく調査については、候補者に知られることはありません。前職への照会や第三者ヒアリングを伴う調査については、性質上、伝わる可能性があります。実施の可否は、事前にご相談の上で決定します。
海外本社の要求水準と、日本の法令が食い違って困っています。
まさに当社が最も多くご相談をいただく類型です。日本の法的枠組み(個人情報保護法、職業安定法、厚労省指針)を根拠条文とともに英文で説明し、その制約下で実施可能な調査スコープを定義した上で、本社の理解を得るプロセスをご支援します。
引き受けない調査範囲について
お受けできない調査について
当社は、以下の調査項目については、いかなる依頼者・いかなる目的であっても、お受けしておりません。
- 本籍地、出生地、国籍、出自に関する調査
- 思想・信条、宗教、支持政党に関する調査
- 家族構成、家族の職業・収入・資産に関する調査
- 病歴、障害の有無に関する調査
- 労働組合活動歴に関する調査
- 違法な手段による情報取得(不正アクセス、なりすまし、盗聴等)
「引き受けない範囲」を明示することは、企業向け調査サービスにおいて最も強力な信頼のシグナルです。コンプライアンスを重視する法人のお客様にこそ、この方針をご確認いただきたいと考えています。
ご依頼までの流れ
ご依頼までの流れ
1
無料相談
電話やメールでご状況をお聞きします
2
見積もり
案件に応じた個別お見積りを提示します
3
ご契約
契約書・請求書を発行してご契約します
4
調査着手
調査対象の情報をもとに調査を開始します
5
最終報告
調査経過と結果を記録した報告書を提出します
免責事項
本サービスは、日本の法令および厚生労働省の指針に基づき、業務適格性の判断に必要な範囲で調査を実施するものです。調査可能な範囲は対象者の属性・職務内容・提供情報によって異なります。調査着手前に、実施可能な項目と実施できない項目を明確にご説明いたします。