前職調査を合法的に行う方法と、違法な調査事例

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Pre Employment

求職者の前職を調査する場合、合法的に実施できるか不安に感じる方も多いと思います。この記事では、違法性のない前職調査やリファレンスチェックを行うための方法をまとめています。

日本は、雇用に関しての人権意識が高い国です。また、採用調査や前職調査について、活発に議論されることはありません。先進国諸国と比べ、どちらかというと、影でこっそり行われているというのが現状でしょう。

なお、前職への調査に限らず、経歴や資格の有無など、採用に関する調査全般の情報は、下記のリンクにもまとめているのでご覧ください。

前職調査とは

前職調査とは、採用候補者の前勤務先に問い合わせをし、在籍期間や勤怠状況などを確認することを指します。具体的には以下の2つのパターンがあります。

  • 前職に在職した事実の有無や、在籍期間に間違いがないかどうかの確認
  • 前職での勤怠状況、人事評価、給与体系の確認

ここで注意したいのは、より詳細な情報を照会するためには、採用候補者本人からの委任状や調査同意書を取得することが必須となる、ということです。

転職者であれば、前勤務先に所属していた時の活動がメディアサーチによって確認できる場合もあります。例えば、業界専門誌の取材を受けてその記事が掲載されていたり、業界団体のセミナーでスピーチを行った記録があったりする場合に、前勤務先での在籍が確認されたことになります。

前職調査の目的

前職調査の目的としては、以下の3つがあります。

  • 採用候補者の適性や能力を判断し、よりよい人材を採用する
  • 問題人物を排除して、職場環境の安全を確保する
  • 法律や行政ルールに則って、不可欠な確認を行う

日本では伝統的に、より良い人材を選別するための前職調査(1番目の目的での採用調査)が中心でした。2番目の「職場環境の安全確保のための調査」は、窃盗・横領・暴力事件・性犯罪などの犯罪歴があり暴力性のある人物や、無謀運転などの傾向があり、会社の社会的信用に関わる人物等のチェックを目的とした調査です。

失業給付金ゴロや労働組合の主導者等も、会社にとっては排除したい存在ではありますが、人権への配慮からそうした事項に関しての調査は違法性を問われます

日本では、3番目に当たる「法律や行政ルールで指定された調査」は一般的ではありません。

前職調査を行うタイミング

前職調査を行うタイミングは、通常、以下3つのパターンとなります。

  • オファー前(Pre offer)
  • オファー後 (Post offer)
  • 面接後(Post interview)

会社の規模や採用ポストの重要度によって、調査のタイミングを切り替えていくことになります。リファレンスチェックなどの入念な人事評価調査に関しては、面接後に行われることが多いと思われます。また、一度に多数の従業員を募集する際は、ある程度候補者を絞り込んでから前職調査を行うのが普通でしょう。

一方で、全ての採用候補者に対して、経歴チェックだけを機械的に行う方針もあると思います。中途採用者の場合は、とりわけ入念に前職調査を進めていくことが多いと思われます。

前職調査に必要となる書類

採用目的での前職調査は、分かっていない情報を掘り起こす作業ではなく、候補者から提出された情報や資料をもとに真偽を確認したり、関係者からコメントを取得したりする作業です。

そのため、採用候補者から経歴を詳細に記載した経歴書を取得する必要があります。さらに、前職の関係者などの被取材者から協力を得たり、第三者機関に証明書などを代理申請する場合には、採用候補者からの委任状や調査同意書を取得する必要があります。

中途採用者の前職調査が違法になるケース

採用候補者の適性や能力を調査するリファレンスチェックに関しては、前職調査に法的な問題はありません。しかし、身分や出身地、思想信条や宗教に関する調査は、人権への配慮の観点から違法とされます。

具体的に言えば、同和地区の出身者かどうかを確認したり、労働組合の加入状況や、共産党系の赤旗新聞の購読者かどうか、創価学会の会員や聖教新聞購読者かどうかなどを調査することが違法とされます。LGBTの当事者かどうかの調査も、違法となるでしょう。

この違法性の根拠として、厚生労働省によって、差別や人権侵害につながる調査が禁止されています。特に大阪府では、大阪府の条例により探偵業者は全て大阪府に登録する義務があり、差別に関する調査を行っていないか、チェックを受けています。

以前は採用候補者に対して、消費者金融の借入状況をチェックする慣習がありました。この慣習は無くなり、消費者金融の借入状況は採用調査目的で利用してはいけないことになっています。これに反して、サラ金情報のチェックを行ったことで貸金業法違反で摘発された事例も過去にあります。

また警備会社が、従業員自身に自ら消費者金融情報を自己チェックし、その結果を会社に提示するよう求めた事例がありました。当然、この事例も人権に反するという指摘が入りました。そのことが新聞報道され、以降は本人に自己開示させる手法自体も一般的に行うことが不可能になっています。

中途採用の身辺調査を探偵に頼んでも違法にならない

中途採用者の身辺調査、いわゆるリファレンスチェック自体が違法ということは、全くもってあり得ません。しかしながら、調査手法や調査目的に問題がある場合、違法性が問われる可能性はあり得ます。

情報取得の手段が違法であったり、差別につながる調査を行えば、当然違法性を問われます。それに注意していれば、身辺調査自体が違法となることはないと断言できます。

前職調査は自分で調べても大丈夫?

雇用者が、採用候補者の以前の職場に自身で連絡を取り、以前の関係者からコメントを取得することも可能です。候補者の在籍事実の確認や、適性や能力に関しての問い合わせであれば、全く問題がないと言えます。しかし、ひとたび差別に繋がるような質問をすれば、違法性を問われかねません。この辺りは慎重に行う必要があります。

ただし、被取材者の側とすれば、個人情報保護法の規定のため、問い合わせ者に対して情報を開示することは通常困難です。したがって、候補者から調査同意書を取得し、候補者本人の承諾のもと、問い合わせを進めることがベストです。Japan PIでは、このような同意書の取得と本人への承諾への取り方についてもアドバイスをさせていただきます。もちろん、前職への調査は、有効かつ違法性を問われない方法で実施します。

前職調査のケーススタディ

前職調査の事例をより具体的にイメージいただけるように、経歴詐称詐欺の常習犯の調査事例をご紹介します。この人物は、氏名・年齢・肩書を全て詐称し、ハイスペックな人材になりすまして、高収入を獲得する詐欺を繰り返していました。詳細は下記のリンクをご覧ください。

採用調査 – 経歴詐称詐欺師 | Japan PIの調査事例

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