リファレンスチェックの実務

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今回は、企業が採用候補者の採用審査の前職調査やリファレンスチェックを行う際の手順や注意点について解説します。

履歴書チェック

外部の採用調査を依頼するとコストがかかりますので、まず独自に履歴書の審査基準を設定し、その基準で要注意と判断された人物のみ、入念な採用調査を行う、というスタンスで良いかと思います。

候補者の履歴書を精査し、不審な点がないかをチェックしていきます。

あまりにも 頻繁に転職している人物は要注意です。また、退職してから再就職するまでに 半年以上 期間が空いている場合、その間何をしていたか よく確認すべきです。怠慢行動、パワハラ、セクハラなどのトラブルを繰り返す 問題社員を間違って採用してしまうと、企業は大変な損失を被ります。

怠慢行動の常習犯の問題社員の中には、企業側の懲戒処分に抵抗する手段を熟知しているものがいます。彼らは、合同労組に駆け込んで 団体交渉や訴訟を仕掛けてくる可能性があります。そうした傾向のある問題人物を間違って採用しないよう注意が必要です。

リファレンスチェックの準備

採用調査のリファレンスチェックは、採用候補者の過去の職歴や業績、人物的な資質などを評価するために、候補者の前職や関係者から情報を収集するプロセスです。

リファレンスチェックは、採用の最終段階で行われることが一般的です。候補者の経歴やスキルを正確に評価するために重要な手段であり、採用の意思決定に大きな影響を与えることがあります。

採用調査のリファレンスチェックは、雇用主が候補者の信頼性や適性を確認するための手段です。

リファレンスチェックの手順

以下でリファレンスチェックを行う際の手順について説明していきます。

調査同意書/委任状を取得する

リファレンスチェックを行う前に、候補者から調査同意書/委任状を取得することが重要です。個人情報保護法が存在する以上、候補者、本人からの同意書、委任状を取得しなければ、十分な情報が得られません。

また、候補者本人のプライバシーを尊重し、審査手順を透明化する意味でも、候補者の許可を得て調査を行うことが望ましいといえます。

以下は、リファレンスチェックの際に使用する調査同意書と委任状の一般的な書式の例です。ただし、実際の使用にあたっては、企業の要件や個別の法的制約に応じてカスタマイズする必要があります。

1. 調査同意書の書式例:

[会社名・ロゴ]

[日付]

調査同意書/委任状

私、[候補者のフルネーム]は、[会社名]において行われる私のリファレンスチェックについて同意いたします。私は以下の情報提供者に対して、私に関する情報の提供を許可します。

1. [リファレンス先1]:

   – 氏名:

   – 連絡先(電話番号/メールアドレス):

   – 関係性/役職:

   – その他コメント:

2. [リファレンス先2]:

   – 氏名:

   – 連絡先(電話番号/メールアドレス):

   – 関係性/役職:

   – その他コメント:

この調査同意書/委任状に署名することで、私はリファレンスチェック担当者に私に関する情報の収集と確認を一任することに同意します。

候補者のフルネーム:_____________________

署名:_____________________

日付:_____________________

リファレンス先の確認

候補者に、リファレンス先の取材対象者の情報を通知してもらいます。通常、前勤務先の上司や同僚などをリファレンス先とします。リファレンス先は、候補者について客観的かつ信頼性のある情報を提供することが重要です。リファレンス先と候補者の関係性や信頼性を確認し、信頼できる情報源からフィードバックを得られるようにします。

リファレンス先の氏名 個人の電話 メールアドレス か、勤務先名と所属部署など、採用候補者から詳細情報を取得しておく必要があります。

1部上場企業などの大企業では、社員の氏名と、現在の所属部署が完全にわかっていなければ、社員に取り次いでもらえないことが多いです。上述した調査同意書/委任状の参考書式にある通り、リファレンス先の連絡先詳細や関係性を確実に提供してもらうよう注意が必要です。

適切な質問を用意する

リファレンスチェックでは、候補者の業績、職務遂行能力、コミュニケーションスキルなどに関する情報を収集します。具体的な質問を準備し、候補者の適性に関連する情報を引き出すよう努めましょう。

よくあるリファレンスチェックの質問事例は、以下の通りです。

  • 候補者の業績と成果について:
    • 候補者の過去の業績や成果に関して、具体的な例を教えてください。
    • 彼らの貢献や成果がチームや組織にどのような影響を与えましたか?
  • コミュニケーションスキルについて:
    • 候補者は、どのように他のチームメンバーや上司とコミュニケーションを取っていますか?
    • 候補者は円滑なコミュニケーションを図るためにどのような取り組みをしていますか?
  • チームワークと協調性について:
    • 候補者は、チームでの仕事やプロジェクトにおいてどのように協力していましたか?
    • 候補者、他のメンバーとの協力関係を築くためにどのようなスキルや資質を持っていますか?
  • プロフェッショナリズムと職業倫理について:
    • 候補者は、職場での倫理的な問題にどのように対処していましたか?
    • 候補者が困難な状況に直面した際、どのような倫理的な判断を行っていましたか?
  • リーダーシップと問題解決能力について:
    • 候補者は、チームやプロジェクトにおいてリーダーシップの役割を果たしていましたか?
    • 候補者が直面した問題や困難な状況にどのように取り組み、解決していましたか?

リファレンスチェックのよくある誤解

リファレンスチェックの手法に懐疑的な人は以下のように考えるかもしれません。

「候補者が指定したリファレンス先に取材しても、それは出来レースであり、口裏を合わせた候補者に都合の良い情報しか得られない。」

候補者との関係性が希薄な人物や仕事以外の関係のリファレンス先が指定された場合は、そういった懸念があることは事実です。その自体を避けるために、リファレンス先と候補者の関係性をしっかり見極める必要があります。

そもそもトラブルを起こして退職した職場があったとすると、候補者は、その職場の関係者をリファレンス先として提供することができないと思います。

その意味で、前勤務先の関係者をリファレンス先として提供できるかどうかが最初の見極めポイントとなります。逆に、候補者が、前勤務先の関係者をリファレンス先として提供できたとすれば、その時点で少なくとも、前勤務先では大きなトラブルはなかったと判断できます。

そうした見極めができる点にリファレンスチェックの意味があります。

業務上の深い繋がりがあったリファレンス先からは、候補者の適性や能力について客観的な評価を得られる可能性が高いと思います。

さらに、個人情報やプライバシーの概念が発達している現代社会においては、本人の許可を得て調整を進めることが重要であり、候補者にわからない形で調整を進めること自体に問題が発生するものと思われます。

このように、リファレンスチェックは、候補者の適正や能力を客観的二評価する手法として非常に有効な方法と言えると思います。

まとめ

リファレンスチェックの手順についてまとめると以下となります。

  • 候補者本人から同意書/委任状を得て調査を進める
  • 候補者にリファレンス先を提供してもらう
  • リファレンス先の関係性や信頼性をチェックする
  • 適切な質問を用意して取材を進める

具体的には、リファレンスチェックを行う際の調査、同意書、委任状、リファレンス、先の情報収集のためのテンプレートリファレンス崎取材するときの質問表などを最初に準備しておく必要があります。

さらに、リファレンス先については、氏名と前勤務先の名称だけでは連絡が取れない場合があるため、氏名、個人の電話番号、メールアドレス全勤務先の部署、肩書、部署の電話番号などより詳細な連絡先を取得しておく必要があります。

採用時のリファレンスチェックやバックグラウンドチェックが必要な時は当社でご相談に乗ることができます。お気軽にご相談ください。

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