人探しの方法 – 戸籍と住民票

Residence Registration Japan

今回は、戸籍と戸籍附票等を取得して、親族や相続人、あるいは、債務者や知人を探す際の方法と注意点について解説します。戸籍制度は非常に複雑で、完全非公開情報であることもあり、戸籍制度についての深い理解がないと調査が不可能です。

住民票や戸籍調査で人探し

日本には市民として身分証明を表す代表的な書類に、戸籍、住民票の2種類があります。いずれも、非公開情報ですが、これらの書類にアクセスできるのは、本人、親族、弁護士、会計士、その他の専門資格保持者のみです。

住民票と戸籍の違い

住民票には、主に、住所と世帯状況が登録されています。戸籍謄本には出生、死亡、婚姻、離婚、養子縁組等、主に家族状況が登録されています。その他に、戸籍附票という書類があり、これには、住所履歴が記録されます。住民票と戸籍は、全く別のシステムですが、住民票には、戸籍を取得する為の鍵となる本籍が記載されています。また、住民登録が異動される前に、本籍が設定されている自治体にも、住所異動の情報が共有され、住所移動履歴が戸籍附票に記録されます。

住民票は、日本人だけではなく、外国人も登録されています。しかし、戸籍は、日本国籍保持者しか持てません。ただし、外国人でも日本人の配偶者の場合は、日本人の配偶者の戸籍に記載されます。

住民票や戸籍取得に必要な情報

住民票を取得する為には、氏名と現住所か過去5年以内の前住所の情報が必要です。何らかの事情で、実住所に住民票登録をしていない人物もあります。この場合は、住民票登録されている住所の情報がわからないと住民票を取得できません。

戸籍を取得するためには、対象者の本籍と筆頭者の情報が必要です。本籍が不明では、そもそも、管轄の自治体すら特定できず、全く調査をスタートすることができません。本籍筆頭者が不明な場合は、本籍記載の住民票を取得して本籍と筆頭者を確認する事になります。

しかし、ここで問題があります。住民票の除票は、市役所での法律に基づく保管期間が5年間となっています。従って、判明している最後の住所から5年以上経っている場合、住民票を取得する事ができません。

*沖縄のみ5年で住民票除票を削除する行政ルールが適用されていない場合があります。

住所や本籍がわからない場合

住民票の住所や本籍がわからないと、いきなり、住民票や戸籍謄本を取得することは不可能です。

故意に実住所に住民票を登録していない人物の場合、住民票の登録されている住所をなんとかして割り出さなければなりません。 

本籍がわからないが、戸籍謄本を取得したいという場合なら、本籍記載の住民票を取得すれば、本籍と筆頭者が判明し、次に、戸籍取得が可能となります。住民票の設定されている現住所や5年以内の前住所がわかれば、本籍記載の住民票、または、住民票の除票を取得することで、本籍がを判明させることができます。

もし、住民票の設定されている住所がわからない場合、まず、をれを判明させなければなりません。5年以内の前住所がわかる場合や、前住所が本籍と一致している公算が高い前住所なら、次のステップに進める見込みがあります。

正確な住所がわからず、居住している市区町村だけがわかるパターンの場合、これを絞り込む調査が難易度の非常に高い調査となります。

住民基本台帳の閲覧

他のネット情報で、住民基本台帳を市区町村で閲覧して、住所を探し出すことができるという情報があります。しかし、これは、大昔(2006年以前)に可能だった手法です。個人的な人探しの目的では、現在、住民基本台帳の閲覧はできません。他の間違った情報に惑わされないようにしましょう。

2006年11月、住民基本台帳法の改正がされました。それ以後、以下の場合にしか閲覧ができなくなりました。

  • 国や地方公共団体が閲覧する場合。
  • 統計調査、世論調査、学術研究等の公益性が高い調査の場合。

したがって、個人的な人探しで、住民基本台帳の閲覧が許可されることはありえません。

戸籍と住民票

戸籍は日本市民の出生、親子関係、養子、養子離縁、死亡、婚姻、離婚等を記録する書類です。日本国民は本籍を持つ必要があり、家族に関する全ての出来事を本籍のある市役所に報告する必要があります。

戸籍(ウィキペディア)

住民票は日本国民の住所情報や世帯情報を記録する書類です。市民は皆、現住所を地域の市役所に報告する必要があります。

住民票(ウィキペディア)

戸籍謄本の照会方法

戸籍謄本を辿れば、親族全員の家系図と現在生存中の親族の現住所がわかります。以下は、戸籍謄本を取得する際の流れと注意点についてのチャートです。戸籍謄本は、本籍と筆頭者の情報が無いと取得できません。本籍がわからければ、本籍記載の住民票または除票を取得することになります。

本籍わかる 本籍不明
前住所わかる

前住所不明(調査不可)

 
転居後5年以上 転居後5年未満  
 
戸籍取得 前住所=本籍と仮定して戸籍取得 *1 住民票取得  
 
現住所 本籍が一致なら現住所 1回目の転居先  

*1前住所が自己所有物件の場合。通常賃貸住宅を本籍に設定する人はいません。

戸籍調査が有効な人探し

戸籍調査が効果的な人探しは、以下のような事例です。

  • 養子実父母を探したい
  • 長年音信不通となっていた親族を探したい
  • 相続人を探したい
  • 訴訟相手の身元を確認したい
  • 債務者の所在を判明させたい

行方不明者や失踪者の場合、住民票登録を移動させない可能性もあり、戸籍や戸籍の附票の調査をしても、所在が判明する保証はありません。また、虚偽DVでDV支援制度を濫用して子供を連れ去っている配偶者の場合、住民票や戸籍をブロックしている場合があります。そうなると、弁護士でも戸籍や住民票を取得できません。

行方不明者

日本では、債務者の所在調査であれば、債権者に住民票の取得権限が与えられています。権利関係の疎明資料があれば、市区町村役場で債務者の住民票を取得できます。住民票を異動させなかった場合、行政ルールでは、5万円以下の科料に処せられますが、実質的に実罰はありません。ですから、支払い意思のない債務者は、住民票登録を異動させなかったり、偽装したりします。そういう意味で、行方不明者の人探しでは、住民票や戸籍での調査はあまり有効でありません。

住民票の職権消除

住民票を異動させず、役所からの郵便物が届かない状態が5年間続くと、住民票登録が職権消除されます。ニュース報道等で、逮捕された犯人が住所不定無職と紹介されることがありますが、これは住民票が職権消除されているという意味です。

実際住民票が職権消除されると、国民健康保険も持てず、運転免許の更新もできません。つまり、ある程度以上の社会生活をする上では、様々な不利益が生じます。

債務者を住民票で探す

貸金業者等では、すぐに、住民票を異動させない債務者に対しては、時効になるまで、6ヶ月毎に債務者の住民票請求をしています。要するに、中長期的な回収計画に切り替えて、債権回収を目論んでいるということです。

プロへ依頼しますか? Japan PIへ相談

Scroll to Top