自分でできる企業信用調査 – 5分でわかるクイックガイド

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 今回は、企業の情報調査について解説します。最も基本的なことは、法人の登記簿情報を取得することです。中規模以上の企業であれば、次に、企業信用データの基礎レポートを取得します。上場企業であれば、IR情報を取得します。入手できるデータを先に収集し、その後、現地確認をしたり、広報情報や、オープンソースの公開情報を分析します。更に、関係者への取材を進めることで、実態を掘り起こしていきます。

プロによる本格的な企業信用調査をご希望の場合は、Japan PIの企業信用調査もご覧ください。

基本的な企業情報

取引先の企業の信用度を確認したい場合は、ウェブサイトに出ている情報を参照しながら、登記簿謄本、企業信用データを確認していきます。

法人の登記簿

登記簿は、会社が設立された時に登録されます。日本のみならず世界のどこでも会社の登記簿は存在します。記載内容は国によってばらつきがありますが、会社名、所在、設立年月日、資本金、役員の氏名など、最低限の情報は記載されています。

登記取得が有料な国もあれば、無料でウェブサイトで情報公開されている国もあります。

企業信用データ

企業の信用度を格付けするための企業データバンクが、どこの国でも存在しています。企業信用データの報告データで重要なものは、過去の決算内容、役員や株主の情報、顧客やサプライヤーなどの取引先の情報です。さらに、企業データバンクは調査対象企業の信用度のランク付けも行なっています。

日本の企業信用調査

日本では、帝国データバンクと東京商工リサーチの2社が、企業信用データの業界を独占しています。日本では諸外国に比べ、企業に関する公開情報の項目が少なくなっています。会社の登記簿では、株主の情報や代表者以外の役員の住所が記載されていません。また、決算関係のデータは、建設業と不動産業を除き、公的機関から公開されることがありません。

そうした環境の中、帝国データバンクや東京商工リサーチは基本的に直接取材によって、情報を取得します。信用調査会社のリサーチャーが、対象企業に連絡し、直接取材を申し込みます。そして、対象企業が自己申告した内容を報告書にまとめます。

既存の信用レポートがある法人

ここで問題となるのは、信用データバンクの取材は、任意協力の依頼であり、対象企業が拒否する可能性があることです。

対象企業がBtoB(対企業向け)ビジネスであれば、自身も取引先について企業データバンクに調査依頼をする可能性もあるため、取材に協力的です。企業データバンクの調査員も、潜在的な取引先からの調査依頼であることをほのめかします。取材に協力しないと、取引のチャンスを失う可能性があることも示唆します。企業データバンク側から言うと、そういう部分が、強制力となり、取材に応じさせている要素もあります。

既存信用データがない法人

一方で、BtoC(個人向け)ビジネスでは、個人顧客が企業データバンクのデータを取得することが稀なため、企業データバンクからの取材を拒否する可能性が高くなります。不動産会社や貸金業者、会計事務所、個人向けの物販業者などは、企業データバンクの取材を拒否する可能性が高い業種です。また、若い世代が経営しているIT系企業でも、取材を拒否する可能性が高いです。

取材拒否をされると、企業データバンク会社では、レポートの作成ができません。そうなると、企業データバンクでは、その企業の既存信用データは「登録なし」ということになります。逆に言うと、企業データバンク会社に登録がある企業なのかどうかを確認することで、その企業の信用度がある程度把握できるということでもあります。例外としては、創業後間もない起業や、上述した通り、個人顧客向けの業務の企業があります。新興のIT企業等の場合、経営者が企業データバンクの登録の仕組みを理解しておらず、なんとなく、取材を拒否してしまっていることもあります。

データバンクへの新規調査依頼

企業データバンクに登録がない企業に関しては、あなたが企業データバンクの会員となり、新規調査依頼をすることもできます。新規の調査依頼をしても、対象法人が取材を拒否することもありえます。そうなると、データバンク会社から、取材拒否の為、レポートの作成が不可能だった旨の連絡を受けます。

企業データバンクのシステム

ちなみに、企業データバンクは完全な会員制となっており、一見の顧客からの依頼は受け付けません。また、会員となると年会費代わりに、10回分の調査依頼回数券を購入することとなります。企業データバンクとしては、会員となった企業の取材もやりやすくなる上に、回数券や定期刊行物の販売もやりやすくなる為、マルチレイヤービジネスのように連鎖的に会員を増やしていくビジネスモデルとなっています。

企業データバンクのレポートは、対象企業の自己申告に基づくデータが中心となるため、100%の公信力はありません。ただし、公開情報では把握できない、ベンチマークデータも含まれている為、この資料は企業調査の基礎となります。

海外の法人登記 

英語圏の国の多くでは、法人登記は、政府や自治体のウェブサイトの公開情報として、無料で検索できるケースがあります。ただし、多くの国では、法人の登記情報の専用サイトから、クレジットカード決済で購入する形式となっています。

海外の企業信用調査

海外の企業信用調査の代表格となっているのは、 D&Bとエクスペリアンです。 

海外の企業信用データに関しては、D&Bやエクスペリアンの会員になれば、データを直接取得できます。しかし、会員登録をするにも煩雑な手続きがありますし、外国語を理解しなければいけない問題もあります。

日本の企業信用データバンクでも、海外の企業信用データバンクのデータを代理販売しているところがあります。ただし、翻訳の手間がかかる為、代理販売のデータは、スナップショットと呼ばれる基礎的なデータのみに限定されている場合があります。

現地確認や詳細情報の調査

日本国内でも海外でも、登記簿や企業信用データで得られる情報は、基礎的なデータに限定されます。事業実態調査、マーケティングリサーチ、競合調査等が必要になった場合は、現地確認調査や、公開情報の精査、関係者への取材等の調査手法が必要になります。企業データバンクは、定形のレポート作成しか行いません。そのため、突っ込んだ調査が必要になれば、自力で取材を行うか、企業情報調査を得意とする専門の調査会社に依頼することになります。

日本の探偵業者では、このジャンルの調査を専門に行っているところは非常に少数です。ビジネスコンサルティングやマーケティングリサーチを主業務とするコンサル会社が、このカテゴリーのリサーチを手掛けている場合もあります。

企業の実態把握 

企業の実態を把握する為には、サプライヤー、代理店、顧客、業界内の専門家やジャーナリストなどへのソース取材が不可欠です。公開情報の精査に加え、現地訪問や関係者へのソース取材の手法を駆使すれば、マーケットや企業、そして、商品について、より深い情報収集と分析が可能となります。

Japan PIでは、個人では対応しきれない内容をカバーすることができます。

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