ソフトバンク役員、権力闘争に調査会社を使っていた?

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世の中には、立身出世の為に、探偵業者や PR 業者を使いこなし、ライバルを蹴落として、頂点に上り詰める猛者がいます。今回は、ソフトバンクのビジョンファンドの頂点に就任したラジーブ・ミスラ氏が、ハニートラップ業者、探偵業者、ジャーナリスト、PR 会社を、どのよう使いこなし、裏工作を成功させたか解説していきます。(今回彼は実行役への報酬を十分に支払わなかったために、内部関係者から裏工作の実態を暴露されたようです。)

SoftBank Vision Fundの代表のラジーブ・ミスラ氏(Rajeev Misra)は、元同僚であるニケシュ・アローラ氏(Nikesh Arora)とアロック・サーマ氏(Alok Sama)に対する中傷合戦の妨害工作で、ソフトバンクのCEOの孫正義の右腕となったと報道されました。

ソース元(英語):SoftBank’s Rajeev Misra Used Campaign of Sabotage to Hobble Internal Rivals
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ソフトバンクファンド責任者による、妨害工作の全貌とは

ソフトバンク内部の裏工作と中傷合戦

Wall Street Journalによると、ミスラ氏は以下の工作を行いました。

  • アローラ氏とサーマ氏についてネガティブなニュースをマスコミにリーク
  • SoftBankに彼らを解雇するよう圧力をかける、自作自演の株主工作を実施
  • 「ハニートラップ」でセックススキャンダルを捏造

アローラ氏は孫氏の後継者とされていました。しかし、ミスラ氏の妨害工作の成果で、アローラ氏は、2016年にSoftBankを退職しました。サーマ氏は、2019年4月に退職しました。ミスラ氏は、Softbankグループに損害を与えることとなったUberやWeWorkなどへの投資にも密接に関与しています。

ソフトバンクも、ウォールストリートジャーナルの告発を受け、内紛の実情の調査に乗り出すと発表しています。一方、ミスラ氏は、一連の告発をすべて否定しています。

妨害工作の実行役をリクルート

WSJによると、ミスラ氏は、ソフトバンクグループに参加して間もない2015年に、妨害工作を始めました。ミスラ氏はイタリアの実業家、アレッサンドロ・ベネデッティ (Alessandro Benedetti) 氏と結託し、彼に裏工作を実働させました。裏工作の報酬として50万ドル支払われたとされています。

ハニートラップ作成

ベネデッティ氏は、まず東京にハニートラップの女性工作員を送り、アローラ氏にトラップを仕掛けました。女性工作員がアローラ氏をホテルに誘い込もうとしました。しかし、アローラ氏はトラップに引っかかりませんでした。

ネガティブ工作調査

ベネデッティ氏は、民間情報機関のK2インテリジェンス(クロールの関連会社)に、アローラ氏とサーマ氏を調査させました。更に、スイスの民間情報機関であるニコラス・ジャンナコポウロス (Nicolas Giannakopoulos)氏にも特殊調査と妨害工作を委託しました。ジャンナコポウロス氏は、アローラ氏とサーマ氏のプライベートバンキングの記録が含まれるEmailをハッキングしました。そして、フリーランス記者のマーク・ホリングスワース氏に、腐敗の証拠として調査結果の記事を書かせました。そして、この内容は、2015年10月に、イギリスの independence 誌に掲載されました。同時に、K2は、ロンドンに拠点を置くPR会社のPowerscourt Groupと契約し、調査結果をジャーナリストにリークする工作を実行しました。

自作自演の株主工作

調査結果のジャーナリストへのリークだけでは、妨害工作の成果があがらなかったため、ベネデッティ氏は、第3の工作である株主による妨害工作を実行しました。これが、最終的に成功します。ジャンナコポウロス氏を株主とさせ、ボイズ・シラー・フレックスナー法律事務所を代理人として、ネガティブキャンペーンを裏で操りました。2016年1月、Boies Schiller Flexner LLPは、インドの新興企業へのアローラ氏の投資に疑問を呈する公開書簡を送送り、SoftBankの利益相反となる疑惑の調査を要求しました。

しかし、ミスラ氏は、ベネディッティ氏へ十分な見返りを行わなかったことが原因で、彼から恨みを買った模様です。その結果、今回、裏工作がウォールストリートジャーナルに暴露されたものと思われます。

ミスラ氏はベネディッティ氏に報酬50万ドル(約5400万円)を払っていました。しかしK2インテリジェンスなど海外のブランドイメージが高い老舗調査会社の料金相場は、時間給3万を超える可能性が高いです。今回のようにリスクが高い案件の場合では、さらに高い料金設定がかけられる可能性があります。つまり、調査会社からベネディッティ氏には最大で数千万程度の活動資金が請求されていた可能性があります。これによりベネディッティ氏はミスラ氏からの報酬に満足していなかったと考えられます。

ビジネス身辺調査を行う理由と、妨害工作が防げた可能性

今回の妨害工作はミスラ氏によるものですが、孫氏が彼を抜擢する際、あるいは抜擢後のミスラ氏に対する身辺調査が不足していたとも言えるでしょう。部下に全幅の信頼を置くのが孫氏のスタイルと言えばそれまでですが、数百億という金額が動く役員人事のトラブルを、それに比べてごくわずかな調査費用で防げた可能性を考えると、残念です。

他の優秀な人材がいなくなり、問題が顕在化した後では遅すぎます。Japan PIのビジネス身辺調査は、会社の役員や社員を対象とし、内紛やリークなど、様々なトラブルを事前に防ぐことができます。

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