子どもの連れ去り – フランスから逮捕状が出た日本人妻

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Vincent Fichot

日本国内で実子2人を連れ去り、以後、フランス人の夫に面会させない日本人妻に対し、フランス裁判所は逮捕状を出しました。

フランス人の夫の名前は、”Vincent Fichot”さんで、日本に在住し2021年夏に、ハンガーストライキにより子供の連れ去り問題を世界中に向けて発信しました。

ある日Vincentさんが自宅に帰ると、妻・子供2人は突然いなくなっていました。妻から転居先を明かされることはありませんでした。その上で離婚手続、すなわち、親権争いが一方的にスタートしたのです。

連れ去りをした日本人妻は、Vincentさんに面会をさせることはありませんでした。こうなると生活の継続性の原則に基づき、子供と長くいる連れ去った側が有利です。連れ去った側は連れ去り行為を正当化するため相手側からのDVを主張します。この場合、警察捜査も及ばず、連れ去った親はDVの特別保護措置(住民票や戸籍の他人からの請求のブロック)を受け、実質、自動的に親権を獲得できる状態になります。

共同親権制度への移行が待たれる日本

こういった事態が起きるのは、日本で共同親権が認められていないことが理由です。「子供を完全に我が物とする」という感情を誘発させています。

日本人による「子供を連れ去った挙句、親権まで奪う」というやり方は、世界中から非難されています。ハーグ条約では、無断で片方の親が子供を連れて国外に出ることは、連れ去りと定められ、返還の為、中央政府が法的措置をすることを義務付けています。

もはや悪習とも呼べる『DV要件獲得→連れ去り転居→親権獲得を待つ』というフローの不当性を訴るため、Vincentさんはこの夏、千駄ヶ谷駅で3週間程のハンガーストライキを決行しました。ハンガーストライキとは断食による抗議活動です。同様の、一方的な親権の剥奪や連れ去り問題を抱える日本人支援者が集まり、日本人がこの問題を知るきっかけとなりました。

長年の問題に一線を画したVincentさん

逮捕状は異例の措置

これまでに私達が取り扱ったケースでは、連れ去られた側の国から子供の返還命令、親権の停止が出たことはありました。命令に応じた親は皆無です。執行官は物品の差押はできるものの、人物を差押することはできません。

しかしながら、逮捕状は非常に稀なケースです。子供の連れ去り問題にこれまで警察は対応できませんでしたが、今回は断言できません。少なくとも、今後の連れ去り問題に一定の歯止めをかけられるでしょう。

日本以上に世界中が注目している

私が初めて見たハンガーストライキの見出しとしての報道はBBCでした。この時、日本の報道機関による報道は僅かで、それも、菅首相とマクロン大統領との会談の一部として挙げられていました。しかしながら、Vincentさんはフェイスブック、ツイッターによる情報の発信により、世界から支持され、支援者を増やしました。日本国内の問題でありながら、日本人より外国人が注目している状況です。

ついに国内主要新聞社の多くが今回の逮捕状の発行を報道しました。日に日に、Vincentさんの行動に周囲が関心を高めています。

(参考)

BBC Japan報道による報道

2021/08/04  ハンガーストライキ

https://www.bbc.com/japanese/video-58054707

2021/12/01  日本人妻への逮捕状発行

https://www.bbc.com/japanese/59486195.amp

Vincent Fichotさんのフェイスブック

https://www.facebook.com/vincent.fichot.77

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