5分で分かる探偵の資産調査

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民事執行法が120年ぶりに改正されます。2019年5月2に改正案が制定され1年その後1年以内の間に法改正が実施されます。これにより、債権回収問題の解決に進展が見られます。

それまでは債権者が債務名義を取得していても相手方の資産を調査する司法や権限がなく、債務名義の実行性が乏しい状況でした。

改正によって、債権者でも債務名義を持っている場合、金融機関、行政機関などで、勤務先情報(給与報告書)、銀行口座・証券口座・生命保険の返戻金の調査、そして、不動産の名寄せデータなどの第三者開示を受けられるようになります。

この改正に関連する資産調査の現状の問題点やその変更によって得られるメリットや課題について以下まとめました。

現状の資産調査

一昔前は探偵業者が裏ルートを使って、銀行口座、証券口座、保険口座、不動産の名寄せデータを取得することが黙認されていました。

情報ソースの内通者からデータを取得するということです。そういう調査手法は、以前はグレーゾーンでした。しかし、2012年から13年にかけて情報漏洩の問題が社会問題化し、法規制が強化され、黙認されていた調査手法や調査の情報ルートがすべて消失しました。(プライム事件 – 探偵業と情報屋、参照)

これによりデータに関する調査を行うことが実質的に難しくなりました。この問題は、探偵業に限ったことではなく弁護士、司法制度、裁判制度にも関係する問題です。

債務名義の実効性の問題

現状では債権者が債務名義を取得していても相手方の資産を調査する司法や権限がなく、債務名義の実行性が乏しい状況です。

債権者からすると債務名義を取得しても、実際の強制執行差し押さえができなければ金銭的利益がありません。逆に取得のための弁護士費用が発生しているのに債権回収ができないと言うジレンマに陥いるケースも少なくありません。

債権回収の依頼者が債務者本人に会って話さえできれば解決すると思っていても、債務者本人が詐欺や計画倒産などの常習犯である可能性が高いからです。

そういった悪徳な個人や業者にとって、現行の日本の法律では資産の隠匿は簡単です。そうなれば、悪質債務者は、資産調査が法的にできないことを逆手に取り、どうどうと債務を踏み倒すことができます。本人がどうどうと表に出て、刑事事件回避の為、債権者に調停をもちかけてくることもあります。債権者が調停に応じれば、警察は、民事不介入の原則により、介入しません。そうすると、悪質な債務者は刑事事件で捜査される危険を完全に回避できます。

このような理由で勝訴判決を取ったものの債権回収がうまくいかない案件が多いです。

たしかに強制執行を定める公正証書や勝訴判決があれば強制執行を行う権利が取得できます。

一方で任意で支払いを履行しない債務者に対しては、強制執行で銀行預金や給料などを差し押さえるしかありません。しかし現実に差し押さえを強制執行することは可能なのでしょうか。

資産の強制執行の難しさ

例えば債務者が自営業者の場合、自らの給料をゼロにすることは簡単です。そうすると給与の差し押さえはほぼ不可能です。

また給与の差し押さえ逃れるために転々と転職を繰り返す人物もいます。

銀行預金証券口座生命保険の口座に関しては資産調査する権限が財務省以外に与えられていません。

ですから実質的に強制執行の効力は不動産担保以外はほとんど実効性に乏しいのが現状です。

他の執行方法として、判決を得た弁護士が債務者が所有している可能性のある口座の支店に対し、しらみつぶしに差押命令を出すことはできます。しかし日本国内には銀行の支店は無数にあるためこの手法はおおよその目処がないと雲をつかむような話になります。

さらに債権者にとって費用面で不利な点もいくつかあります。

実際に強制執行を行う場合は債権者側が供託金を預けなければならないルールがあります。

債権者の話が虚偽だった場合に債務者が損害を被る可能性があるため供託金制度が設定されています。つまり、債権者も強制執行を行う場合はそれなりに元手を用意して強制執行に望むことになります。

また、弁護士を雇えばその弁護士費用も発生します。したがって、債権者側も先行投資が必要です。以前は対象者の資産調査を法的手続きを取る前に行って資産があれば法的手続きを行ない、資産が確認できなければ法的手続きを取りやめると言う案件がも多くありました。

つまり個人が行う差押えの強制執行は非常に困難を極めているのが現状です。

一方、財務省であれば納税滞納者税務滞納者に対して銀行や証券口座生命保険の口座など不動産など一斉検索が可能です。

いわば現時点では強制執行の権利は国家にしか与えられていないと言っても過言ではない状況です。

民法改正で変わる情報開示

情報開示の権限について

金融関係で言うと一般人の銀行口座であれば銀行協会が、証券口座であれば日本証券業協会が、生命保険であれば生命保険協会、業界団体が参加の金融業者に対して情報開示をさせる権限を持っています。従って個人の資産調査をする場合、金融関係の業界団体に情報開示の指令を出せば情報を収集できるということです。

民事執行法が改正されれば、裁判所に申立をすると銀行協会、証券業協会、生命保険業協会などに情報開示を命令することができるようになります。

これにより個人の資産調査の方法が以前より拡がるでしょう。

一方、改正によっても解決され得ない問題も未だあります。債権者が現実に債権を回収することができるのか、また債権回収可能性について知ることができるのか、という問題です。

そもそも、債務者となり得る詐欺師的な人物、倒産会社の社長、悪質な多重債務者などは銀行口座にほとんど預金がありません。

十数件の銀行口座を割り出してもほとんどが残高ゼロであったり、休眠口座であったり、2中には預金残高が-30万とか-50万となっている口座も多くありますし、多重債務に陥る社会的信用がどうでもよくなった人物は勤務先もまともな職種ではなくアルバイトできない仕事や裏稼業になっているケースが多くあります。

そうすると第三者開示で今後利用できるとされるハローワークや年金事務所の給与報告書などのデータはでは勤務先が登録されていません。したがって第三者開示を行ってもうまく勤務先が浮上する保証はありません。

つまり債務者が現実的に債務を実行できるかどうかを定かにできない可能性が高いです。

もし実際に債権を回収できずに、法的手続きの費用だけがかさんでしまえば債権者にとっては元も子もありません。

ですから債権者としては法的手続き前に債務者の資産情報を集めてその後の対策を練りたいという本音があるはずです。

債務者の資産調査を、法的手続きをとる前に行って資産があれば法的手続きを行ない、資産が確認できなければ法的手続きを取りやめるといった選択肢があれば債権者の負担を抑えることができます。

しかし今度の民事執行法の改正では債務名義がある案件に限り第三者開示を受けられるということになっていますので、このような事前調査は認められていません。

民事執行法の改正は大きな前進です。一方で債権回収の可能性に関しては、事前の資産確認ができる制度が必要であると言えるでしょう。

民事執行法が120年ぶりに改正されます。

2019年5月2に改正案が制定され1年その後1年以内の間に法改正が実施されます。これにより、債権回収問題の解決に進展が見られます。

それまでは債権者が債務名義を取得していても相手方の資産を調査する司法や権限がなく、債務名義の実行性が乏しい状況でした。

改正によって、債権者でも債務名義を持っている場合、金融機関、行政機関などで、勤務先情報(給与報告書)、銀行口座・証券口座・生命保険の返戻金の調査、そして、不動産の名寄せデータなどの第三者開示を受けられるようになります。

この改正に関連する資産調査の現状の問題点やその変更によって得られるメリットや課題について以下まとめました。

現状の資産調査

一昔前は探偵業者が裏ルートを使って銀行口座、証券口座、保険口座、不動産の名寄せデータを取得することが黙認されていました。

情報ソースの内通者からデータを取得するということです。そういう手法が合法かということに関しては以前はグレーゾーンでした。しかし、2012年から13年にかけて情報漏洩の問題が社会問題化し、法規制が強化され、黙認されていた調査手法や調査の情報ルートがすべて消失しました。

これによりデータに関する調査を行うことが実質的に難しくなりました。この問題は、探偵業に限ったことではなく弁護士、司法制度、裁判制度にも関係する問題です。

債務名義の実効性の問題

現状では債権者が債務名義を取得していても相手方の資産を調査する司法や権限がなく、債務名義の実行性が乏しい状況です。

債権者からすると債務名義を取得しても、実際の強制執行差し押さえができなければ金銭的利益がありません。逆に取得のための弁護士費用が発生しているのに債権回収ができないと言うジレンマに陥いるケースも少なくありません。

債権回収の依頼者が債務者本人に会って話さえできれば解決すると思っていても、債務者本人が詐欺や計画倒産などの常習犯である可能性が高いからです。

そういった悪徳な個人や業者にとって、現行の日本の法律では資産の隠匿は簡単です。そうなれば、悪質債務者は、資産調査が法的にできないことを逆手に取り、どうどうと債務を踏み倒すことができます。本人がどうどうと表に出て、刑事事件回避の為、債権者に調停をもちかけてくることもあります。債権者が調停に応じれば、警察は、民事不介入の原則により、介入しません。そうすると、悪質な債務者は刑事事件で捜査される危険を完全に回避できます。

このような理由で勝訴判決を取ったものの債権回収がうまくいかない案件が多いです。

たしかに強制執行を定める公正証書や勝訴判決があれば強制執行を行う権利が取得できます。

一方で任意で支払いを履行しない債務者に対しては、強制執行で銀行預金や給料などを差し押さえるしかありません。しかし現実に差し押さえを強制執行することは可能なのでしょうか。

資産の強制執行の難しさ

例えば債務者が自営業者の場合、自らの給料をゼロにすることは簡単です。そうすると給与の差し押さえはほぼ不可能です。

また給与の差し押さえ逃れるために転々と転職を繰り返す人物もいます。

銀行預金証券口座生命保険の口座に関しては資産調査する権限が財務省以外に与えられていません。ですから実質的に強制執行の効力は不動産担保以外はほとんど実効性に乏しいのが現状です。

他の執行方法として、判決を得た弁護士が債務者が所有している可能性のある口座の支店に対し、しらみつぶしに差押命令を出すことはできます。しかし日本国内には銀行の支店は無数にあるためこの手法はおおよその目処がないと雲をつかむような話になります。

さらに債権者にとって費用面で不利な点もいくつかあります。

実際に強制執行を行う場合は債権者側が供託金を預けなければならないルールがあります。

債権者の話が虚偽だった場合に債務者が損害を被る可能性があるため供託金制度が設定されています。つまり、債権者も強制執行を行う場合はそれなりに元手を用意して強制執行に望むことになります。

また、弁護士を雇えばその弁護士費用も発生します。したがって、債権者側も先行投資が必要です。以前は対象者の資産調査を法的手続きを取る前に行って資産があれば法的手続きを行ない、資産が確認できなければ法的手続きを取りやめると言う案件がも多くありました。つまり個人が行う差押えの強制執行は非常に困難を極めているのが現状です。

一方、財務省であれば納税滞納者税務滞納者に対して銀行や証券口座生命保険の口座など不動産など一斉検索が可能です。

いわば現時点では強制執行の権利は国家にしか与えられていないと言っても過言ではない状況です。

民法改正で変わる情報開示

情報開示の権限について

金融関係で言うと一般人の銀行口座であれば銀行協会が、証券口座であれば日本証券業協会が、生命保険であれば生命保険協会、業界団体が参加の金融業者に対して情報開示をさせる権限を持っています。従って個人の資産調査をする場合、金融関係の業界団体に情報開示の指令を出せば情報を収集できるということです。

民事執行法が改正されれば、裁判所に申立をすると銀行協会、証券業協会、生命保険業協会などに情報開示を命令することができるようになります。

これにより個人の資産調査の方法が以前より拡がるでしょう。

一方、改正によっても解決され得ない問題も未だあります。債権者が現実に債権を回収することができるのか、また債権回収可能性について知ることができるのか、という問題です。

そもそも、債務者となり得る詐欺師的な人物、倒産会社の社長、悪質な多重債務者などは銀行口座にほとんど預金がありません。

十数件の銀行口座を割り出してもほとんどが残高ゼロであったり、休眠口座であったり、2中には預金残高が-30万とか-50万となっている口座も多くありますし、多重債務に陥る社会的信用がどうでもよくなった人物は勤務先もまともな職種ではなくアルバイトできない仕事や裏稼業になっているケースが多くあります。

そうすると第三者開示で今後利用できるとされるハローワークや年金事務所の給与報告書などのデータはでは勤務先が登録されていません。したがって第三者開示を行ってもうまく勤務先が浮上する保証はありません。

つまり債務者が現実的に債務を実行できるかどうかを定かにできない可能性が高いです。

もし実際に債権を回収できずに、法的手続きの費用だけがかさんでしまえば債権者にとっては元も子もありません。

ですから債権者としては法的手続き前に債務者の資産情報を集めてその後の対策を練りたいという本音があるはずです。

債務者の資産調査を、法的手続きをとる前に行って資産があれば法的手続きを行ない、資産が確認できなければ法的手続きを取りやめるといった選択肢があれば債権者の負担を抑えることができます。

しかし今度の民事執行法の改正では債務名義がある案件に限り第三者開示を受けられるということになっていますので、このような事前調査は認められていません。

民事執行法の改正は大きな前進です。一方で債権回収の可能性に関しては、事前の資産確認ができる制度が必要であると言えるでしょう。

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