興信所が教える – フロント企業の調べ方

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法人の代表者が、実権者であるとは限りません。法人との取引の前には、背後に実質的支配者がいないかどうか確認するのがリスク管理の基本となります。

2022年に創設された、法人の実質的支配者(BO = Beneficiary Owner)制度の活用方法も説明します。

フロント企業の定義

まずフロント企業の定義を説明します。

フロント企業とは、狭義には、反社会的勢力のカバーのために設立された法人です。広義には(英語の原義では)、反社会的勢力のみならず、諜報機関、テロリスト、秘密結社、宗教団体、政治団体、圧力団体等のカバーのために設立された企業も指します。

法人の調べ方

以下、法人の基本的な情報確認方法について個別に説明していきます。

現地確認

単純なことですが、直接現地を訪問し、外観を確認するだけでも、新発見がある場合があります。

まず、その法人が本当にそこに存在するかどうかが一目瞭然にわかります。

また、法人の所在地のタイプによって、法人の規模、従業員の人数、活動状況などもわかります。

法人の所在地のタイプ

  • 自社ビル
  • 自社物件
  • 賃貸物件
  • 大規模商業ビル
  • 雑居ビル
  • 工場
  • 一戸建て物件
  • 代表者の自宅
  • バーチャルオフィス
  • 私書箱
  • 他の会社との共同事務所

他に、同じ住所で、別法人のネームプレートがある場合もあります。それが関連法人の可能性が高いですので、重要な情報となります。

遠隔地などで現地確認が難しい場合は、少なくとも、Google マップスや、ゼンリンの住宅地図で現地状況を確認しましょう。

法人登記簿

対象法人の法人登記簿の確認は、必須の確認事項のひとつです。

法人の登記簿では、代表者や役員の氏名、会社の資本金、設立年月日、法人所在地の移転履歴が確認できます。

現在の代表者や役員のメディアサーチを行い、ネガティブな情報が出ないか確認します。

履歴事項の確認

法人登記簿に変更事項があれば、過去の履歴事項を順々に確認し、過去の称号や、過去の役員や、過去の本店所在地を確認します。

怪しい会社の場合、過去の不祥事を隠蔽したり、倒産や廃業した法人を再利用して法人登記している場合があります。

役員についても、過去に辞任した役員が実質的支配者である可能性もあります。また、過去の役員が反社会的勢力であったり、逮捕歴があったりする場合もあります。

過去の本店の所在地が、事件の舞台になっていたり、反社会的勢力の関連施設である可能性もありますので、そのあたりもチェックしていきます。

株主リストは登記簿には出ない

日本の登記簿では、残念ながら、株主情報が記載されていません。日本統治時代が長い韓国の法人登記簿でも、株主リストの記載がありません。しかし、他の大多数の国では、株式会社であれば、役員リストと同様に、株主リストが記載されています。

なぜ日本がそうなってしまったのかはわかりませんが、それが現実です。

実質的支配者を確認するには、株主リストを確認したいところです。過半数の株を所持している株主があれば、その株主が実質的支配者となります。

日本では、その問題を補完する意味で、帝国データバンクや東京商工リサーチの企業信用データで、主要株主を確認することになります。

企業信用データ

帝国データバンクkや東京商工リサーチの企業信用データには、主要株主や取引先の情報が登録されます。企業信用データバンクは、対象法人へ直接取材して、主要株主の情報や取引先や財務情報を集めています。

対象法人への直接取材によるデータ収集であるため、以下の制約があります。

  • 取材拒否した法人のデータ登録がない
  • 新設法人のデータがない
  • 直接取材時の自己申告に基づくデータの為、公信力がない

メディアサーチ

現地確認、登記簿情報、企業信用データ等で、取得できた情報から、メディアサーチ(公開情報検索)を行います。

具体的には、その法人の現在の商号、過去の商号、各役員(過去役員)をもとに、オンライ検索や新聞記事横断検索等で、丹念に確認していくことになります。

許認可がある業種については、監督官庁のウエブサイト等で、処分歴情報を確認します。

記事が多すぎる場合は、以下のような複合キーワードで確認します。

氏名・商号+不祥事

氏名・商号+逮捕

氏名・商号+訴訟

氏名・商号+処分

氏名・商号+談合

氏名・商号+癒着

現在の役員や商号で、ネガティブな記事が出なくても、過去の役員や商号で、ネガティブ記事が出る場合もあるので、そこを見落とさないで確認していくのことが重要です。

直接訪問

対象法人との取引や雇用関係等があるなら、対象法人の代表者や担当者と、対象法人の事務所で直接面談できる機会があるはずです。

このとき、事務所の外観や内部の様子、従業員数、担当者や従業員の雰囲気などを直接観察できます。社用車があるのか、駐車されている車両が場違いに高級でないか、とか、監視カメラが異常に多く設置されており、異様な雰囲気でないか等を確認していきます。

面談室では、許認可証明書、表彰書、ロゴ入りカレンダー等を観察します。ロゴ入りカレンダーで、取引先や取引銀行がわかる場合があります。

それとなく、債務状況、出資者、大株主、大口顧客等の情報を聞き出せると上出来です。

側面調査

企業信用データやメディアサーチで判明した、対象法人の同業他社、顧客や仕入先等の取引先に連絡を取り、対象法人の取材をすることを側面調査と呼びます。

財務状況悪化の噂、支払い遅延、反社会的勢力との関与、訴訟、談合、癒着、処分、代表者や役員の不祥事の噂がないか、取材していきます。

実質的支配者リスト

実質的支配者リストは、法務局から自由に第三者交付を受けることはできません。

しかし、この制度を利用して、対象法人に証明書を提出させたり、代理人として代理取得することは可能です。

法人調査の利用方法としては、以下の方法を取ることになります。

  • 調査担当者が、対象法人に実質的支配リストの提出を求める
  • 対象法人から委任状を受けられれば、調査担当者が対象法人の代理人として、証明書を取得する

もし、対象法人が、この要請を頑なに拒むとすれば、反社会的勢力が実質的支配者である可能性を疑わざるを得まっせん。

まとめ

以上、フロント企業かどうかの確認を中心とした、法人の調べ方について解説しました。

暴排条例で、反社会的勢力との取引を禁じられています。その意味で、フロント企業でないかどうか、対象法人の実質的支配者が誰なのか確認せずに、取引を進めることはリスクを伴います。

現地確認、登記簿調査、企業信用データ、メディアサーチ、直接面談、側面調査、実質的支配者リスト、等、現在利用可能な全ての方法を駆使して、入念に確認していくしかありません。

実質的支配者リストの制度は、もっとその存在が認知され、将来的には一般公開されてもっと実効性の高いものになっていくことを願います。

現在では、対象法人が自己交付を受け、それを外部に提出する制度となっていて、気軽に利用できるものではありません。

現状、実質的支配者リスト制度は、犯益法の規定から、主に金融機関提出向けに設計されています。しかし、この制度は、犯収法の規定に即した制度にとどまらず、反社チェックや一般的な与信管理のツールとして、広く活用されるべきものと思います。

その意味で、将来的には、実質的支配者リスト制度は、法務局での一般公開情報となていくことを望みます。日本の登記簿では、株式会社の株主リストが記載されないという致命的欠陥があるので、実質的支配者リストが、法人登記簿の中に組み込まれていくことが将来的な理想です。

反社チェック、フロント企業の確認、等、企業信用調査を興信所に依頼したい場合は、Japan PIにお問い合合わせください。

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