Twitter 分析ーロシア情報

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当社ではTwitter発信としてイギリス国防省によるウクライナ最新情報の要約を始めた。なぜ興信所がイギリス国防省を分析するか?それは諜報が軍事をルーツとしているからだ。各国軍は衛星、盗聴、そして内偵により対象国の機密情報を得ている。しかし、これらの手段から成功するかしないか、無作為だ。公開情報をベースに相手を監視を継続し速度や過去データを検証・比較するのが原則だ。直近の例として6/24のプリゴジンの乱を挙げよう。

“With very limited evidence of fighting between Wagner and Russian security forces, some have likely remained passive, acquiescing to Wagner.” (Ministry of Defence Twitter, 24/June/2023)

ロシア軍とワグネルが交戦した形跡は乏しいことから、一部のロシア部隊は降伏し反乱を受け入れている可能性がある。

これはある事象において対象がどれだけのスピードで対応したかを分析することで、対象の意思を推測している。企業における敵対的買収、支社トラブル等にも該当するだろう。相手の実行の速さで自身が取るべき攻守を決定できる。以下、ウクライナ情勢を知りつつイギリス国防省の見識を考察しよう。

6月注目のトピック

カホフカダム破壊 6/6, 8, 11発表

ヘルソン州にあるカホフカダムが破壊され洪水被害が発生。ザポリージャ原子力発電所に影響はなかったが、避難誘導と淡水不足の影響が懸念された。これは戦争犯罪であり、ワグネルのモスクワ北上に並ぶ重要なニュース。

▶破壊工作がウクライナ、ロシアのどちらによるものか不明であり、ロシアによるものという発信が多い状況だ。比較的ウクライナ寄りのイギリス国防省だが、これを明記しない点は政府機関としての慎重な姿勢が窺える。

ロシアトップの焦燥 6/12発表

ウクライナ側の戦災状況をロシアのショイグ国防省は誇張を含めて発表し、高圧的な態度を示した。また、迅速に動けなかった自国の西部軍管区を非難。過去の重要な戦時より高姿勢なことから、ウクライナの反攻作戦を警戒したのと自国の大衆コントロールのためと推測された。

▶閣僚のコメントを過去戦況のものと比較し心理を分析している。時系列分析は会計にも用いられる基本的手法だ。

チョンハル橋への攻撃 6/28の発表

ウクライナ軍は南部とクリミアを繋ぐチョンハル橋を攻撃し通行不能にした。ロシア軍のザポリージャへの補給を滞らせることに成功。ロシアは異様なスピードで対応しており、このルートへの依存は高いと推測した。

▶復旧作業の素早さからロシアが補給路としていかに重要視していたかを察知し、代替ルートの時間を計測した。従来の50%増の時間を要すると測定できたのはベネフィットだ。

以上のように、発生した事象について相手がどれくらいのスピードで反応するか、過去データにどれほど差異があるかによって、その作戦の成功度や今後の対応を計算できる。興信所業務でいえば詐欺案件の相談を受けるとき、相手側の言い分を時系列に並べることを推奨している。月ごとに相手がどんなアピールを言ってきたか書き並べるだけで「タイミングがいい」「早すぎる」と不審な点に気づけることがある。日常での不審行為を明らかにするためのインテリジェンスを今後も展開していきたい。

Jun 24

[4/5] Further Wagner units are moving north through Vorenezh Oblast, almost certainly aiming to get to Moscow. With very limited evidence of fighting between Wagner and Russian security forces, some have likely remained passive, acquiescing to Wagner.

ワグナーとロシア治安部隊の間で戦闘があったという証拠は非常に限られているため、消極的なままでワグナーに黙従している人もいるだろう。

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