国際離婚の浮気調査 – 無過失離婚って何?

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浮気の証拠を取らないと離婚できないというのは、日本の常識ですが、世界の非常識です。

日本では、探偵と言うと浮気調査ばかりやっているというイメージがあります。他の国でも探偵は浮気調査をやりますが、浮気調査は全体の探偵業務の20%程度だと思います。浮気調査が多くなる日本の探偵業界と、そのような調査が必要となる理由を解説します。

海外の国で浮気調査が少ない理由

日本と海外で、なぜ浮気調査に関する違いが生じるのでしょうか? それは、離婚に関する民法が国によって違うからだと思われます。

アメリカの例で言うと、1970年代にNo fault divorce(無過失離婚)という考え方が普及し、法律が改正されました。

それをきっかけに、アメリカの探偵業界では浮気調査が激減しました。当時、それが原因で廃業した探偵業者も多かったようです。しかし、その後、探偵業者は保険会社からの行動調査ニーズを開拓し、浮気調査に依存せず、営業できるようになりました。

無過失離婚

無過失離婚とは、離婚する時に離婚原因を考慮しないという考え方です。過失がないと離婚ができないという制度では、過失を証明するために夫婦が泥沼の非難合戦をやるハメになります。

子供から見た場合、両親の泥沼の争いは、心の傷となります。夫婦当事者にとっても、醜い争いは、お互いに精神衛生上よくありません。そうした観点から、夫婦関係が不仲になったのであれば、すぐに離婚を認めた方が良いと言う考え方が無過失離婚です。

無過失離婚制度では、1年間の別居などの条件が揃えば、どちらか一方が申し立てると裁判所がすぐに離婚を許可します。ですから、離婚を成立させるだけで言えば、配偶者の浮気の証拠や浮気の慰謝料は全く必要ありません。ただし、子供の親権と養育費の問題や、財産分与については、きちんとした取り決めが必要です。

無過失離婚法が世界標準になりつつある

日本では、浮気、暴力、浪費癖、精神障害などの離婚事由がないと、一方的に離婚することができません。しかし、アメリカでは離婚理由は全く考慮されず、1年間別居すればすぐに離婚が成立します。

アメリカ以外でも西側諸国では無過失離婚法を導入した国が多数派となっていますが。中国でも早い段階から無過失利根制度が導入されています。

国際的な社会情勢では、無過失離婚制度がどんどん主流になってきています。鎖国的体質の強い日本では、こうした考え方が浸透せず旧態依然な民法が残っています。したがって、探偵業者の浮気調査人数も、依然として高い水準になっているというわけです。無過失離婚制度の狙いは、離婚理由を証明する手間を省き、女性の社会的自立を促すというものです。

浮気調査専業の探偵業は斜陽産業

別の言い方をすると、日本でも無過失離婚方が導入されれば、浮気調査を専門とする探偵社のニーズは激減します。離婚問題専門の弁護士のニーズの一部も減少するでしょう。

ただし、男女の間では嫉妬はつきものです。離婚原因の証明としての浮気調査ではなく、単に嫉妬からくる不安を解消するための浮気調査のニーズがなくなるわけではありません。

国際離婚の注意点

英語圏の国の男性と国際結婚した日本人女性は、配偶者の国で採用されている無過失離婚について、全く知識がない場合が多いです。例えば、アメリカでアメリカ人の配偶者と生活していた日本人妻が、関係が悪化し、日本に戻って別居したとします。アメリカ人の配偶者がその気になれば、アメリカからすぐに離婚請求訴訟の召喚状(Divorce Paper)が日本人妻に送達されます。アメリカの家庭裁判所では、一方の配偶者から離婚請求があればすぐに離婚訴訟が開始されます。裁判所は、親権や財産分与についての取り決めを早急に進め、離婚を早期に成立させます。

国際離婚の惨めな結末

ところが、日本人の配偶者に無過失離婚制度の知識がなく、日本の民法の常識で考えてしまいます。また、そのことを日本の弁護士に相談すると、逆に問題が大きくなることもあります。なぜなら、日本の多くの弁護士は、日本の法律のことしか知りません。国外からの法的文書の送達という、基本的な知識すら欠如している場合も多く、弁護士自身が対処方法がわからず、日本の弁護士がかえって手続きを遅延させる原因となってしまいます。

無過失離婚制度の国で結婚していた場合、離婚事由に基づいて慰謝料を請求したり、離婚を阻止したりすることはできません。そうした知識は、無過失離婚法がある国の配偶者と結婚する際に、あらかじめ基礎知識として持っておくべきだったのです。

外国の配偶者からしても、離婚訴訟の訴状を受け取った時の、日本人配偶者の対応が全く理解できないことでしょう。無過失離婚制度では、日本での離婚のように、浮気の証拠、虐待の証拠などを集める必要はないのです。離婚をスムーズに進めるための離婚訴訟なのに、日本人がが理不尽に法律を無視していると捉えられてしまいます。

まとめ

当社は、国際的なカルチャーギャップを穴埋めする業務を中心としているバイリンガル探偵社です。文化や法律面での、日本と諸外国とのギャップには、いつも神経を張っています。日本の国際化がどんどん進んでいるとはいえ、文化習慣や民法の問題に関しては、まだまだ日本は旧態依然で、世界から取り残されている感が否めません。

日本人の多くが国外の文化習慣や法律についての知識を学ぶとともに、国外にも日本の独特の文化習慣や法律について広報していく必要があると思います。そうでないと、カルチャーギャップに起因した無用な争いが増えてしまいます。

Japan PIでは、国内外を問わず、浮気調査や素行調査を承っております。

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