右翼団体と街宣右翼 その目的と正体は?

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この記事では、右翼団体と街宣右翼について、詳細な情報を紹介しています。取引先などの反社会的勢力との関わりを調査したい場合は、反社チェックのページをご覧ください。

探偵と右翼団体の関係

探偵業務では、刑事事件の調査を行うことは非常に稀です。当然のことですが、刑事事件は警察が捜査することになっているため、探偵業者が関与する機会はほとんどありません。例外としては、冤罪事件の再調査、民事崩れの詐欺事案、横領・恐喝・反市場勢力が絡む事案など、依頼者側にも事情があったり、法人のパブリシティの毀損を避ける為、警察に相談しにくい背景がある事案となります。

企業恐喝や反社会勢力が関与する事件では、街宣右翼(右翼標榜暴力団)が関与する事案が出てきます。そういう意味で、探偵業者としては、そうした闇勢力についての基礎知識を理解し、依頼者からの相談や実地の調査に備えておく必要があります。今回は、プロの探偵の目線から街宣右翼について解説します。

右翼団体とは

右翼団体は政治団体の一種です。総務省のウェブサイトでは「その他の政治団体」として登録されています。

純粋に政治的イデオロギーで活動をしている愛国者団体もありますが、街宣車での街宣活動を主体として、官公庁や企業、著名人への恐喝で資金を得ているエセ右翼も存在します。エセ右翼は暴力団と表裏一体となっているケースが多く、反社会的勢力と分類される団体も多数あります。

参考資料:右翼民族派団体Wiki

街宣右翼の目的と正体

上述の通り、暴力団が関与している右翼団体が多数あります。街宣右翼活動は1970年頃から、暴力団等が合法的に企業恐喝を行うためのツールとして開発されたと言われています。そのような右翼標榜団体を偽装したエセ右翼に関しては、街宣右翼、行動右翼、任侠右翼などとも呼ばれます。

ただし、暴力団自体もその性格として、神道的な伝統を継承する国粋主義的な組織である側面を持っています。そういう意味では右翼団体とも親和性があり、暴力団構成員が右翼団体の構成員を兼ねているケースもよくあります。

総理大臣が発案した街宣右翼

東西冷戦時代の1960年代に、当時の吉田茂総理大臣が、共産党勢力を制圧する為に、暴力団に「反共抜刀隊」として右翼団体を設立するよう指示したと言われています。暴力団が右翼団体を設立して反共政策に協力すれば、現行犯以外の賭博開張図利罪の適用を免除する、という裏取引があったとされています。

この政策が、暴力団の勢力拡大に大きく貢献したことは言うまでもありません。いわば、政府の承認と支援のもと、暴力団が勢力を拡大する絶好の機会を得たとも言えます。また、こうした背景がある為、日本のマフィアである暴力団は、他の多くの国のマフィアと異なり、幹部が堂々とメディアに登場することができます。暴対法や暴排条例で、暴力団がマフィア化していると言われていますが、元来、日本の暴力団は社会に認知されたパブリックフィギュアであったわけです。この点は、日本特有の現象であり、海外メディアが理解に苦しむ点となっています。

暴力団と関連した街宣右翼

1987年、次期総裁の指名の際に、皇民党事件が発生しています。その時、中曽根康弘元総理から、後継者に指名された竹下登元総理は、皇民党から執拗な批判的街宣活動を受けました。街宣活動は表面的には、竹下元総理を皮肉的に褒めちぎっていました。そのため、この攻撃は「褒め殺し」とも呼ばれました。

攻撃された原因は、竹下氏が恩師である田中角栄元首相を裏切ったためと言われています。この事件では、当時の金丸信自民党幹事長をはじめとする複数の自民党議員が、東京佐川急便の渡辺広康を仲介して、稲川会のドンであった石井隆匡(本名:石井進)会長に仲裁を働きかけ、解決に至りました。

右翼団体の皇民党は、稲川会傘下の団体です。稲川会が、裏で竹下元総理を脅し、表で仲裁したということかもしれません。つまり、皇民党褒め殺し事件は、稲川会が政界に影響力を確保する為のマッチポンプ戦略だったと言えます。

その後、闇献金や稲川会への不正利益供与を中心とした東京佐川急便事件が発生します。この事件で、当時の金丸信自民党幹事長は失脚しました。この事件は、暴力団が右翼団体を利用して、政界中枢部掌握するに至ったエポックメイキングな事件です。

このように、街宣右翼は大企業や著名人を恐喝するツールとして、驚くべき威力を発揮することになります。

芸人を脅した右翼団体

芸人の島田紳助氏を脅した右翼団体は、稲川会系の大行社だったといわれています。そのトラブル解決の為に、島田紳助氏は、当時の山口組系組織に頼っていました。山口組と稲川会は友好団体ですので、話が通りやすかったでしょう。しかし、それが島田紳助氏の芸能界引退の原因になりました。

芸人のビートたけし氏は、フライデー記者襲撃事件を起こした後、住吉会系の日本青年社から脅されました。ビートたけし氏は島田紳助氏と違い、暴力団の助けを借りず、自分で住吉会の本部へ出向き、土下座して謝罪したと言われています。ビートたけし氏は、そのようにして暴力団との密接交際を回避したとのことです。

主な任侠右翼

任侠系右翼としては、以下が有名です。実質的には、暴力団と任侠右翼は表裏一体の関係ですが、建前的には別組織とされています。

  • 大行社、日本皇民党、憂国清心同友会(稲川会系
  • 日本青年者、大日本朱光会(住吉会系
  • 司政会議(山口組系)

暴対法や暴排条例で規制が厳しくなってきた昨今、暴力団から街宣右翼へ移籍する組織が増えている、という報道もあります。エセ右翼であっても、表向きは総務省で認められた政治団体です。裏で暴力団と密接な関わりがあっても、表向きは政治団体であるため、暴対法や暴排条例の適用を直接受けることはありません。

代表的な街宣右翼

稲川会系

大行社

大行社(たいこうしゃ)は、指定暴力団稲川会傘下の右翼団体。稲川会の傘下にあるため、右翼標榜団体と見做されている。代表者は石井忠彦 、会計責任者は早瀬内海。住所は東京都港区芝4-5-12。

日本皇民党

日本皇民党(にほんこうみんとう)は、高松市に総本部を置く稲川会傘下の任侠系街宣右翼団体。1980年代後半に自民党総裁の竹下登元内閣総理大臣に対して「ほめ殺し」と呼ばれる街宣車での街宣活動をしたことで知られる(皇民党事件)。代表者は大島竜珉、会計責任者は中釜信行。住所は香川県高松市屋島西町678-11。

憂国清心同友会

憂国清心同友会(ゆうこくせいしんどうゆうかい)は、神奈川県川崎市に総本部を置く右翼団体。稲川会二代目山川一家系で15団体からなる協議体。2004年(平成16年)5月、横浜市で発会式を行う。稲川会傘下なので「右翼標榜暴力団」と見做されている。四代目山川一家(やまかわいっか)は神奈川県川崎市川崎区境町13-6に本部に置く暴力団。指定暴力団・稲川会の二次団体。

住吉会系

日本青年社

日本青年社(にほんせいねんしゃ)は、日本の暴力団系の右翼団体。住吉会住吉一家小林会を母体とし、歴史は古い。現在でも複数の議員を地方議会に送り続ける影響力を持ち、単一団体としては日本最大規模。東京都港区六本木に総本部を置いている。代表者は松尾和也、会計責任者は大塚直樹。住所は東京都港区六本木3-3-18。

大日本朱光会

大日本朱光会(だいにほんしゅこうかい)は、指定暴力団・住吉会六代目日野傘下の任侠右翼団体。日野一家七代目(ひのいっか)は東京都立川市錦町2-1-30に本部を置く暴力団で、住吉会の二次団体。

山口組系

司政会議

司政会議(しせいかいぎ)は愛知県名古屋市に本拠を置く政治結社で、指定暴力団・六代目山口組の二次団体、二代目弘道会会長直属の右翼政治団体。旧司誠会。代表者は谷脇一幸、会計責任者は盛川英治。住所は愛知県名古屋市中村区名駅南2-1-34。

まとめ

この記事では、右翼団体と街宣右翼について、詳細な情報を紹介しました。Japan PIでは、反社会的勢力との繋がりを調査する反社チェックを承っております。事態が大きくなる前に、リスク回避は調査のプロにお任せください。

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