アメリカのバックグラウンドチェック:企業への採用調査実施義務

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Background Screening

日本では人権保護の観点から採用調査に消極的に国策があります。しかし、アメリカでは、役員や重要なポストの塵埃を採用する際には、バックグラウンドチェックが義務付けられています。

日本企業でも、アメリカ人やその他海外人材の雇用の際や、アメリカ子会社での役員就任予定者のバックグラウンド調査のニーズが増加しています。海外の取引先法人からは、日本で雇用された人材に対し、日本企業がバックグラウンドチェックを行っているか不安視する声も聞かれています。

採用時のバックグラウンドチェックは義務

アメリカでは、十分な採用調査をせずに雇用した被雇用者が事件や重大な過失を犯した場合、雇用者の過失責任が問われ、損害賠償義務が生じる。

顧客の生命・安全・財産にかかわる職務の場合、使用者側も従業員の職務適性能力について十分な注意を払う義務がある。

日本はいかにも中途半端な状況であり、厚労省は人権尊重の観点から採用調査を否定するような通達を出しているる。しかし、顧客の生命・安全・財産に慣用する職務に従事させる者の適性を確認する事が重要である事は明白であるから、安全な国民生活を維持する為に、採用調査を義務づける法改正が望まれる。

以下に、アメリカ州政府協会の過失雇用についての記事を引用する。執筆者は、松本あやか氏(現 アンダーソン毛利友常法律事務所 スペシャルカウンセル)である。

過去の経歴と雇用者の責任

採用にあたって十分な調査を行い、職務に適格な者を採用することは雇用者の義務である。これを怠った雇用者には責任を負わされる場合がある。

(例)アパートのオーナーが、ある男性を管理人として雇い入れた。オーナーは採用の際、その男性の過去の犯罪歴について調査をしなかった。アパートの鍵を渡されていたその男性は、渡された鍵を用いてアパートの一室に入り、その住人である女性を強姦した。その男性は逮捕されたが、過去に性犯罪で何度も有罪判決を受けていたこと、本事件当時は保護観察期間中であったことが後に判明した。 →被害者の女性から損害賠償訴訟を提起された場合、オーナーが敗訴する可能性は非常に高い。

「過失雇用」(Negligent Hiring)の法理

雇用者が採用にあたり、十分な職務遂行能力があるかについて適切な調査を怠って漫然と採用し、その被用者が第三者へ損害を与えた場合、注意義務を果たさなかった雇用者にも責任を負わせるという法理。 どのような注意義務が課されるかについては、当該職務の性質によって異なり、顧客の生命、安全、財産に直接関わる重要な職務であれば、注意義務の程度は高くなる。 ・過去の雇用者に勤務状態などを質問し、申込者がどのような経歴を持っているかについて十分調査しておくことは、雇用者の責任を回避するうえで重要である。職務遂行能力を疑うような経歴を有しているものは雇わない。

引用元
アメリカ雇用法の基礎 アメリカ州政府協会
www.asoajapan.org/investusa/librarydocs/US_Employment_Laws.pdf

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