名前を変えて過去を消す詐欺師ややくざ – 反社チェックの注意点

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Japan PIは反社チェック・反社会勢力との繋がり調査を行なっているため、しばしば調査対象が名前を変更した疑いがあるケースに遭遇します。一部の反社会的勢力や詐欺師は、名前を変えて反社チェックを逃れることがあります。当たり前ですが、名前が変わってしまえば、反社会的勢力のデータでは検索できず、該当なしとなってしまいます。

今回は反社会的勢力や詐欺師が改名して、過去の悪事の記録を消している実情とその方法を紹介します。犯罪者だけが改名をするということではなく、反社会的勢力なども一般的な改名の制度を悪用しているということです。

反社データの特性

反社のデータベースは、住民票や戸籍登録と連動しているわけではありません。反社データは、原則、氏名やおおよその年齢、登録時のおおよその住所での照会です。

改名しても、生年月日が変わることはありません。しかし、反社データベースに生年月日の登録が無ければ、生年月日からの逆引きチェックもできません。ですから、改名してしまえば過去の悪事は消えると言っていいでしょう。

苗字を変更する方法

一般人でも、結婚や養子縁組で苗字が変わることがあります。過去の悪事を消したい悪人は、この制度を利用します。

男性でも、結婚して妻の姓を名乗ることができます。また知人や友人などに頼んで養子縁組をして、苗字を変えることも可能です。

昔からヤクザの業界では、服役中の子分に面会するために、親分や兄貴分、子分と養子縁組する慣例がありました。日本の刑務所では、親族や内縁の配偶者以外では面会も差し入れもできないためです。

注意点としては、妻の姓に変更した男性は、離婚しても、元配偶者の姓をそのまま名乗れる点です。女性の場合は、結婚や離婚で姓が変わるのが普通です。

上述したものは身分変更による姓の変更です。厳密に言うと、「氏の変動」と呼ばれます。

自分の意思で氏名を変更することも可能です。その場合は、家庭裁判所の許可を得る必要があります。これは、厳密に言うと「氏の変更」と呼ばれます。

暴力団を辞めた時の「氏の変更」

家庭裁判所で氏を変更する場合、「暴力団をやめるに当たって過去を消すため」という理由でも、氏の変更が認められます。

暴力団を辞めて、けなげに更生しようとしているなら、誰も文句はありません。しかし、暴力団排除の機運が高まる昨今、暴力団をやめたと見せかけて、裏で悪さをしている輩がいます。そのような連中が、氏を変更して反社登録を逃れ、裏で悪事を続けるケースがないとは言えません。

下の名前を変更する方法

上述した氏の変更と同じことですが、家庭裁判所の許可をえられれば、名も変更可能です。下の名の変更は、建前としては正当な事由が必要ですが、1回目であれば、意外と簡単に許可が得られると言われています。

正当な事由とは、名の変更をしないとその人の社会生活において支障を来す場合をいい、単なる個人的趣味であったり、感情や信仰上の希望等のみでは足りないとされています。

裁判所 名の変更の許可

裁判所で名の変更をする際には、以下の情報が参考になります。

https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_kazi/kazi_06_20/index.html

在日韓国朝鮮人などの場合

在日韓国・朝鮮人や台湾人の場合、民族名の他に日本人風の通名を名乗ることができます。そして、通名は何度でも自由に変更できました。

しかし、2013年に、通名を6回変更して飛ばし名義の携帯電話を購入していた犯人が捕まりました。その事件をきっかけとして、2013年12月に法務省から在日の通名変更を禁止する通達が出ました。その結果、詐欺や犯罪目的で通名を変更する行為が、抑止されたと言われています。

在日は民族名の他に通名があり、元々、氏名を使い分けされると、反社チェックが難しい側面がありました。通名の自由な変更が禁止されたことで、2013年以降、在日が通名を好きなだけ変更できる環境がなくなりました。反社チェックをする側にとってはありがたい通達です。

帰化した時に氏名を変更する方法

外国人が日本へ帰化する際は、自由に指名を選ぶことができます。元サッカー選手のRuy Ramosが「ラモス瑠偉」に変更したように、本名をそのまま日本語表記に変更する場合もあります。しかし、例えばJohn Doeが、「ジョン・ドゥー」ではなく「山田太郎」に変更することもできます。こうした例では、元の名前と変更後の氏名の関連は全くわかりません。

ただし、外国人が帰化して氏名を変更している場合は、官報の帰化記録を確認するとわかります。

二重戸籍を取得する方法

簡単な方法ではありませんが、無戸籍者を装って就籍(戸籍の新規登録)させることで、二重国籍状態を作る方法があります。無国籍者が発生する原因の多くは、不倫関係から出生し、母親が戸籍登録できなかったケースです。そういった境遇の人物になりすましたり、記憶喪失を装ったりすれば、就籍の手続きで氏名を変更することができます。報道によると、日本には無国籍者が1万人程度いると言われています。

ただし、犯罪目的でここまでする人物がいるとは考えにくいのが現状です。

2020年1月に、熊本で、二重国籍状態を悪用し、生活保護を不正受給していた男性が逮捕されました。この男性は1986年に犯罪で逮捕された時に、無国籍者を装って就籍制度を利用し、二重国籍状態になっていました。

戸籍を見ればあらゆる変名記録がわかる

反社の人物が氏名を変更しても、戸籍登録を調査すれば、氏名の変更履歴を確認できます。しかし、現在の制度では戸籍調査のハードルは非常に高く、簡単に氏名の変更履歴を確認できるとは言い難い状況になっています。

日本の戸籍登録には、出生、結婚、離婚、養子縁組、そして、氏名の変更まで全てが記録されます。日本人にとっては当たり前のことですが、このような登録制度は、世界では類を見ない日本独自の制度です。

戸籍へのアクセスが難しい理由

なんでも記録されていることは調べる側にとっては便利です。しかし、何でも登録されていることで、戸籍登録へのアクセス権限が異常に高くなっています。「厳格な反社チェックのため、代表者の氏名の変更記録も確認したい」というような理由で、戸籍調査が許可されることはありえません。

弁護士などの士業職には、戸籍登録の職務請求権限があります。調査対象者が氏名変更制度を悪用し、身分を偽って契約した疑いが濃厚なら、弁護士経由で戸籍調査が可能な場合もあります。

プライバシーの意識が高まりすぎると、犯罪を助長することになりえます。反社会勢力もそうした情勢につけこみます。氏名が変更されてしまえば、反社チェックが通用しないということを忘れないでください。

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