探偵業界の最新トレンド【2023】コロナ後に増加したハイブリッド型ロマンス・仮想通貨詐欺とは?

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新型コロナウイルスの流行により、現実世界での出会いの機会が失われました。また、経済的な安定に不安を感じる人々も増え、仮想通貨はよりポピュラーなものになりました。

そんなコロナの影響で、凶悪犯はネット詐欺に力を入れてお金を稼ぐように。アジアを拠点とする凶悪犯は、従来の「ロマンス詐欺」を「仮想通貨詐欺」のハイブリット型に進化させました。

「ハイブリット型ロマンス・仮想通貨詐欺」は、コロナ禍の「寂しさを埋めたい」「お金を増やしたい」という人々の気持ちに見事につけ込んだ新たな手口です。

本記事では、最新トレンドである「ハイブリット型ロマンス・仮想通貨詐欺」の増加背景や事例と、コロナ以前と以後の探偵業界の変化を紹介します。

ロマンス詐欺と仮想通貨の融合タイプ「ハイブリッド型ロマンス・仮想通貨詐欺」

ハイブリッド型ロマンス・仮想通貨詐欺とは、「ロマンス詐欺」と「仮想通貨詐欺」が組み合わさった新たな詐欺の手口のこと。「ロマンス投資詐欺」とも呼ばれることもあります。

元々ロマンス詐欺は、ナイジェリアやコートジボアール等のアフリカ諸国から発生し、主に英語圏やフランス語圏諸国がターゲットとされていました。その後、詐欺手口が東へ伝播し、中国で、「豚殺し詐欺(一連の詐欺の手口を、豚を育ててから殺す様子に見立てた名称)」として、ロマンス詐欺と投資詐欺をミックスさせたハイブリッド型のロマンス投資詐欺に進化しました。

このロマンス詐欺の変種のターゲットは、中国語圏を中心に、日本を含むアジア圏ですが、アジア人好きの欧米人を狙うこともあります。

現在、日本で急増しているロマンス投資詐欺は、中国伝来のハイブリッド型ロマンス投資です。詐欺グループの多くは、腐敗警察がはびこり潜伏しやすい東南アジア国を拠点としています。日本の反社会勢力と提携し、受け子や出し子、飛ばし口座等を調達する場合もあります。

この詐欺による被害は、コロナ禍において、現実世界での出会い機会の損失や経済的不安定の増大により、一気に膨れ上がりました。また、ネットで完結する上、投資・金銭の話を持ちかけるまでにかかる時間もかなり短期化され、純粋なロマンス詐欺と比べてはるかに効率的であるのが特徴です。

一般的な手口としては、マッチングアプリで出会った外国人を名乗る人物から、仮想通貨の投資を持ちかけられるというもの。詳しい手口は、次の通りです。

  1. マッチングアプリで美男美女の外国人を名乗る相手と出会う
  2. 連絡先を交換し、メッセージでやり取りをする
  3. カタコトの日本語で甘い言葉を伝えられる
  4. 仮想通貨による投資を持ちかけられる
  5. 少額投資により利益が出る
  6. 高額な投資を勧められる
  7. 高額の投資を行い出金できなくなる
  8. マッチング相手や投資サイト運営者と連絡が取れなくなる

従来の仮想通貨の投資でありがちな「もっと投資すればもっと儲かる」という気持ちに、「相手の言う通りにしたら、もっと好きになってもらえるかも」という相手への恋愛感情が合わさり、金銭をだまし取られるといったトラブルへと発展するケースが増えています。

こういったハイブリット型ロマンス・仮想通貨詐欺がトレンドになると、新たな類似ケースが立て続けに発生するようになる傾向にあります。このことから、国民生活センター越境消費者センター(CCJ)には、実際に出会い系サイトやマッチングアプリをきっかけとする仮想通貨の投資詐欺に関する相談が数多く寄せられています。

ハイブリット型ロマンス・仮想通貨詐欺の事例

ここでは、ハイブリット型ロマンス・仮想通貨詐欺の事例を2つ紹介します。

事例1

Aさんは、マッチングアプリで「ファッションブランドでVIP待遇を受けている」などと語る自称「外国人経営者」を名乗る男性と出会いました。無料会話アプリでやり取りを続けるうちに、彼女は男性から「Baby」「妻」などと呼ばれるようになったと言います。

将来のために投資サイトで投資するように説得され、断り切れずに投資することに。最初は、少額投資による利益が出て出金することができました。このタイミングで、高額投資をするように説得され、Aさんはお金を借りて約500万円を投資します。

その後、出金しようとするも、利益を含めた総資産の15%(180万円)を保証金として請求され、50万円をさらに借り入れ。残りの130万円について男性に相談していたところ、連絡が途絶えてしまいました。

事例2

マッチングアプリを通してある男性と知り合ったBさん。男性は韓国人と名乗り、プロフィール写真が魅力的だったと言います。新たな出会いを期待していたBさんは、連絡先を交換しSNSでやり取りを始めることに。

何気ないやり取りが続いた後、男性は「好きだ」「幸せになろう」といった甘い言葉をささやき、それと同時に「投資で稼いでいる」「取引で数十万円儲かった」など投資の魅力を伝えていました。

知り合ってから10日後、男性は仮想通貨を使った投資をBさんに勧めます。Bさんは5万円投資をしたところ4,000円の利益が出たため、「さらに投資すればもっと儲かる」と勧められます。

利益が出たことからBさんは相手を信用するようになり、借金をして600万円分の仮想通貨を男性に送金しました。その1ヶ月後、投資した仮想通貨を出金しようとすると、税金で200万円ほどの請求が。「詐欺ではないか」と気づき男性にメッセージを送ると、連絡が途絶えてしまいました。

その他探偵業界のトレンド:コロナ禍で探偵が受ける案件も変化?

コロナ前とコロナ禍では探偵事例にどのような変化があったのでしょうか?ここでは、コロナ以前・以後にわけて主な探偵事例をいくつか紹介します。

コロナ以前(2020年以前)に多かった探偵事例

コロナ以前に多かった探偵事例を紹介します。

インバウンド不倫旅行者案件

新型コロナウイルスが流行する前の2020年以前では、「インバウンドの不倫旅行者案件」が増えていました。しかし、コロナによる水際対策により、国境が閉鎖されてから2022年4月まではゼロ件にまで減少しています。

コロナ禍で(2020〜2022年)増えた探偵事例

では、コロナ禍ではどのような探偵事例が増えているのでしょうか?主な探偵事例を3つ紹介します。

日本企業へのオンラインインバウンド視察

コロナ禍では、水際対策で日本に入国できず、日本を訪れて現場チェックやデューデリジェンス(投資先の価値やリスクを調査すること)ができない海外クライアントが多くいました。

そこで、モバイル端末を使ったZoomビデオ通話で現地の様子を中継。海外クライアントは、ライブモニターで現場を視察することができました。

国境を越えた子の連れ去り

コロナ以後、国境を越えた子の連れ去りの疑いも増加しています。たとえば、日本人の妻が夫の許可を得ずに海外から子供を連れ、日本に帰国するというケースです。

「一方の親の同意なく子どもを出国させる」「約束の期間を過ぎても子どもを帰国させない」という連れ去り行為は、海外のほとんどの国では犯罪とされています。

しかし、日本人の妻は「夫からDVがあったから逃げる必要があった」などと主張することで、このような問題が発生してしまうのです。

コロナ禍では、日本が外国人の入国を規制していており、「通常時よりも簡単に日本に子供と一緒に逃げ隠れできる」という環境だったため国境を越えた子の連れ去りが増加しました。

オンライン詐欺師

上でも紹介したように、コロナ禍ではロマンス詐欺が流行しています。人間関係が稀少になったことによる寂しさや、経済的な不安定からくる不安につけ込み、恋愛相手を装い金銭をだまし取るという手法です。

仮想通貨会社のバブルや労働関係問題の影響で、労働者の裏切りケースが増加していました。ただし、暗号資産の交換業大手「FTX」の倒産により、仮想通貨業界は今後縮小していくことが見込まれます。

ハイブリッド型ロマンス・仮想通貨詐欺の事例まとめ

コロナ以後では、出会い機会の損失による寂しさにつけ込む「ロマンス詐欺」と、経済・金銭的不安につけ込む「仮想通貨詐欺」が組み合わさった「ハイブリッド型ロマンス・仮想通貨詐欺」が増加しています。

この記事で紹介した事例からわかるように、ハイブリット型ロマンス・仮想通貨詐欺は、金銭を要求するまでにかかる時間が短く、凶悪犯にとって短期間で儲けやすいのが特徴です。

詐欺から身を守るには、まず第一に「ハイブリット型ロマンス・仮想通貨詐欺」という新たな手口について知ることが不可欠です。本記事を参考に、主な手口や事例について理解を深め、SNSやマッチングアプリで出会った人の投資話には乗らないように注意しましょう。

Japan PI では国内・海外を問わず、個人向けの身辺調査を行っております。お困りの方はいつでもお気軽にご相談ください。

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