ストーカー法改正と探偵業への影響

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探偵は、ストーカー加害者の依頼でトラブルに巻き込まれることがよくあります。資金力のあるストーカー依頼者もいます。そういう場合、依頼を受ければ探偵はもうかります。怪しいのはわかっていても、お金に目がくらんで依頼を受ける探偵もいるでしょう。

今回は、ストーカ法の改正の影響と、探偵業者が、ストーカーの疑いがある依頼者にどのように対処しているのか、かいつまんでお話しします。

ストーカー法改正

日本では、ストーカー被害が増加傾向にあり、ストーカー規制法が、2021年6月と8月に改正されました。探偵業者としては、ストーカー行為目的のストーカー加害者から、絶対に受注しないよう、より注意しなければなりません。

改正点は以下の4点です。

  • 住居、勤務先、学校など通常の住居等以外の場所でのつきまとい行為も規制された。
  • 電話、FAX、電子メール、SNSメッセージ以外で、手紙の郵送も規制された。
  • GPS機器等を用いた位置情報の無承諾取得等が規制された。
  • 禁止命令等の書類送達で公示送達が可能(加害がの身元不明でも禁止命令可能)となった。

「位置情報無承諾取得等」とは

「位置情報無承諾取得等」とは、相手方の承諾なく、GPS 機器等の位置情報を取得する行為で、ストーカー法で禁止されています。しかし、これは、「恋愛感情等充足目的」+「位置情報無承諾取得」の両方がそろった場合の規制です。

ただし、位置情報の無承諾取得自体が無条件で許可されているわけでもありません。GPSトラッカーは、探偵業者の必須アイテムのひとつとなっっていましたが、今後は、使用方法を十分注意しないといけなくなりました。

以下のようなケースは規制対象ではありません。ただし、グレーゾーンとして、社会通念上許容されているといったところです。

  • 雇用者が業務管理の為、業務中の従業員の位置情報を確認する
  • 直系親族等が家族の位置情報を確認する(未成年の子どもや痴呆症の高齢者等)
  • 不貞行為の証拠収集の為、夫婦間の共有財産の車両の位置情報を確認する

虚偽ストーカーの訴え

本当のストーカー加害者への処罰と、被害者への十分な保護が絶対に必要なのは異論がありません。しかし、DVやストーカーの虚偽の訴えで、子どもの連れ去りや債務不履行を正当化するケースも増えています。

DV、ストーカー、虐待等DVの被害者に対し、「DV等支援措置」があります。申請さえすれば、無審査で適用されます。そのため、DVやストーカー行為の虚偽申告でDV等支援措置を悪用し、責任逃れする悪質な人物がいます。

例えば、夫婦間の子どもの連れ去り問題で、子どもを連れ去った側の親がDV等支援措置を悪用し、連れ去り行為を正当化する事案が後を絶ちません。また、債務不履行の債務者が、債権者の債権回収行為をストーカー行為として訴え、DV等支援措置を悪用して、債務逃れするケースがあります。

DV等の支援措置が適用されている調査対象者に対しては、虚偽の訴えによるものであっても、調査を行えないことになります。正当な目的での調査活動にも悪影響が出てしまいます。

自覚のないストーカー?

ストーカー加害者の多くは、自分がストーカーだと思っていません。その自覚があるなら、最初からストーカー行為なんてやりません。自分の精神状態をコントロールできない、精神障害の一種である側面も否定できません。

また、ストーカー加害者が、実際とは違うカバーストーリーを用意して、探偵に依頼することも多いです。例えば、相手が債務者であるとか、交通事故の加害者であるとか、依頼目的をすりかえてくることがあります。ストーカー行為の加害者を見分けて、依頼を排除するのは簡単ではありません。

ラインIDしか知らない人を探す

「マッチングアプリ等で、知り合った人とライン交換までしたけど、音信不通になったから、探して欲しい」という相談がよくあります。こういう人は、「病気か怪我で入院したかもしれず、心配している」などと言います。

実際は、相手から嫌われただけかもしれません。関係が深まっていないのに、やたら相手に執着していること自体が、潜在的なストーカー気質を持っている可能性があります。

仮に、依頼を受注して、相手の所在が判明したとしても、そのまま相手の連絡先を依頼者に報告することは、リスクが大きいです。依頼者がストーカー行為の加害者だったら、調査対象者に危害が及ぶかもしれません。

このようなケースでは、依頼者に結果の情報提供をする前に、調査対象者側に連絡先を依頼者に通知してよいか許可を得るのが無難です。

男女間だけでないストーカー行為

また、ストーカー被害は、男女問の問題に限りません。LGBTの方どうしのストーカー事件もあります。その意味で、男女の間の問題だけで注意すればいいというわけではありません。

依頼された案件が、ゲイやレスビアンのストーカー事件に発展し、探偵が巻き込まれる事件も業界内では過去にありました。男性同士、あるいは女性同士だから、ストーカーは関係ないと思い込むことはできません。

断ったストーカー相談者からいやがらせ

相談段階で、潜在的なストーカー加害者の依頼を断ったとしても、拒否されたストーカー加害者からあとで攻撃されることもあります。つまり、ネットで嫌がらせの書き込みをされたりして、探偵が、名誉毀損の被害を受けることもあります。

ストーカー加害者の中には、自己愛性パーソナリティー障害、あるいはそのような気質を持っている者も存在します。そのような人々は、依頼を拒否されたことに立腹し、復讐心に燃えます。ちなみに、ストーカー加害者の相談を受けた弁護士も、同様のネット上の名誉毀損被害を受けることがあるようです。

まとめ

ストーカー加害者は、常習性があり、パーソナリティ障害等を抱えているケースも多く、医療機関等によるサポートがない限り、何度もストーカー行為を繰り替えす可能性があります。その意味で、ストーカー行為の規制と同時に、治療プログラムを充実させる措置も必要でしょう。

探偵業界の中でも、知人の所在調査案件では、以下のような手続きを義務化する等の対策が必要です。

  • 正当な調査目的を示す資料の提出
  • 単なる再会希望の案件では、対象者に依頼者への連絡先報告の許可を得る

また、正当な目的での調査活動や報道活動まで規制の対象にならないよう、ストーカー法や迷惑防止条例に、一定の要件の追加か、除外規定を設ける必要もあります。

いずれにしても、探偵業界として共通の声明を作成し、業務の社会的意義や正当性を広報していくことが急務となっています。

Japan PIでは、以上のような内容を吟味した上で、人探し素行調査のご依頼を受け付けております。ご依頼を頂く際には、詳細の確認にご協力いただければと思います。

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