妻が突然失踪した依頼者|Japan PIの調査事例

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我々Japan PIは、妻と4歳の息子の家庭がある夫から、失踪した妻の所在調査を依頼されました。妻は、10日前の夜、夫と口論があった直後、突然家を出て以降、行方不明になっていました。

警察への捜索願は提出済みでした。しかし、本人は携帯電話や財布、現金、キャッシュカード、クレジットカードなどの貴重品を全てを自宅に置いたままで外出しており、携帯電話の位置情報やキャッシュカードの履歴などから本人の行方をたどることができない状況でした。

そのような状況では、探偵業者ができることも限定されます。「ご依頼いただいても結果判明する保証はできません。調査計画を立て、能力に応じた時間給や日当で課金していくことになります。それでもよければご依頼ください亅と伝えました。

依頼者からの返信は、「何もせずに手をこまねいていることはできないので、是非依頼したい」というものでした。我々は日程を決めて依頼者宅を訪問し、その時に本人が残した備品などを点検することになりました。

残された4歳の息子

◯◯市郊外にある依頼者宅を訪問しました。完成したばかりの新築一戸建て住宅で、玄関のインターホンを鳴らすと、依頼者と並んで4歳の息子が現れました。突然母親がいなくなってしまい、寂しい思いをしているだろう息子さんのことを思うと、心苦しくなりました。

もし、誰かが4歳の息子の母親を暴行殺人したりしていたのであれば、絶対に許せないという気持ちが沸き起こりました。我々だってプライベートでは夫婦喧嘩をします。どちらかがカッとなって、半日ぐらい家を飛び出したことだって、なくはありません。殺人事件だったとすれば、犯人は、そうした魔が差した一瞬を狙いすまして犯行に及んだのかもしれません。母親は、幼い息子の事を思って命乞いをしたのだろうか、などと想像し、何ともやるせない気持ちになりました。

大人しく真面目そうな依頼者

依頼者は一般的なサラリーマンで、大人しそうなタイプの人物でした。ここ数日は連続して休暇を取り、妻の捜索と子育てに専念しているとのことでした。

妻は行方不明になるまで、広告代理店の営業担当として勤務していたとのことです。夫婦関係は円満でしたが、妻が失踪した当日はたまたま家事の分担のことで口論になってしまったと聞きました。依頼者もその日は仕事でイライラしていて、口汚く罵ってしまったそうです。本人はそれでカッとなって、何も持たずに家を飛び出してしまったといいます。時刻は平日の午後9時半頃でした。

携帯電話データの復元

警察では、捜索願が出たあとに周辺の監視カメラの確認ぐらいは行ったはずです。ただし、現場が郊外にあるため、監視カメラは大通りの一部、店舗、駅などにしかありませんでした。タクシー会社の乗客情報も、おそらく確認がされたはずでした。

ただし、夫によると、警察の刑事は、彼女の携帯電話やPCなどの持ち物の鑑識調査まではやっていないとのことでした。

このようなケースの場合、我々探偵にできることは限られています。主に、以下のような内容を調査することになります。

  • 本人の職場や友人知人への取材
  • 可能性のある立ち寄り先での事情聴取
  • 目撃情報を呼びかけるビラの配布
  • 携帯電話やPCなどの復元と解析
  • 本人車両のカーナビの軌跡確認

我々は、とりあえず着手金70万円で、捜索活動を引き受けました。携帯電話の復元は、提携しているフォレンジック業者会へ代行依頼しました。

捜索活動開始

友人知人への取材や、周辺の店舗を歩き回りビラを配布するといった業務を行いました。しかし、行方不明になる前に不審な人物と接触していた形跡は一切ありませんでした。また、本人の行き先について心当たりがあるという情報も得られませんでした。

しばらくして、携帯電話のフォレンジック結果が出ました。携帯電話の暗証番号解読と、残っていたLINEの履歴から、残念ながら男性と不倫関係を示す記録が浮上してしまいました。前後の脈絡からして、不倫相手は妻の高校時代の同級生の男性のようでした。

「◯◯日には、◯◯の焼肉屋に行ってその後〇〇のラブホテルね」

「○○日に生理になったから次は○○日ね」

などといった、生々しい内容がLINEにありました。依頼者にその状況を報告すると、「そんなはずないですよ。ありえない」と叫んで、しばらく話ができる状態ではありませんでした。

依頼者が落ち着きを取り戻してから事情聴取すると、妻が同級生の不倫相手と密会していた日は、妻が実家に帰ると言っていた日でした。

LINEの通信では浮気相手の男性の下の名前しか表示されていませんでした。我々が集中的なメディアサーチを行ったところ、妻と同じ高校を卒業した下の名前が一致する人物がのインスタグラムが浮上しました。その情報をもとにさらに掘り下げると、高校の時の部活の記録や、現在の職場でプレゼンテーションをした時の記録などから、フルネームと勤務先まで割り出すことができました。

この段階で、妻の浮気相手である元同級生が、妻の失踪と何か関係している可能性が疑われました。浮気相手の妻が失踪した当日の行動など、非常に気になるところです。

浮気相手の調査の手前で調査解除

我々は、浮気相手の男性への調査を継続するよう、依頼者の夫にオファーしました。母親のことを思い続けている息子のことも頭によぎり、なんとかして真相究明の為、手を尽くしたい使命感に駆られました。しかし、ここにきて依頼者は突然態度がよそよそしくなり、調査を打ち切るよう指示されてしまいました。

「そこまでの調査で十分です。警察がこの案件を捜査中だとすれば、警察に情報提供して公権力で捜査のメスを入れた方がいいと思います。」とのことでした。そう言われてしまえば、たしかにそのとおりだと思いました。我々もボランティアで調査を行っているのではないため、予算的にも限界なのかなと思い、引き下がるしかありませんでした。

我々は、それまでにわかった状況の報告書をまとめて依頼者に提出しました。依頼者からは警察の捜査を要請し、また必要なことがあったら連絡すると言われました。

事件が解決したわけではありませんが、我々の調査活動によって、新たな展開が出てきました。我々はささやかな達成感を噛みしめながら、この案件から手を引きました。ただし、急に態度がよそよそしくなった依頼者の態度には、なんとなく違和感が残りました。

山林で遺体が発見される

不倫相手への捜査がどうなったか、依頼者からの連絡は結局もらえずじまいでした。こちらが調査報告をしてから約1ヶ月後、被害者の自宅から約20 km離れた山林で、白骨化した遺体が発見されました。警察での鑑定の結果、その遺体が依頼者の妻のものであることが確認されました。

この時点で、妻の浮気相手が殺人や死体遺棄で逮捕されたという報道はありませんでした。

夫が死体遺棄容疑で逮捕される

ある日、「妻の死体遺棄で夫逮捕」というニュースが出ていました。何気なく犯人の名前を目にすると、心当たりが有りました。ああ、あの依頼者か、と思い当たり、我々は愕然としました。

白骨化遺体が発見されてから約半年後、依頼者である夫が死体遺棄容疑で逮捕されました。我々はそれを事件報道で知りました。警察は、妻の死体遺棄だけではなく、殺害の容疑でも夫(依頼者)取り調べているとの報道もありました。

我々は依頼者の事件隠蔽のために利用されただったのか。依頼者は妻の浮気を知って、逆上して妻を殺害したのか。真相は、今となってはわかりません。

我々は親身になって相談に乗っていましたが、目の前にいた依頼者が、犯行を隠蔽する為に嘘を並べていたことは、全く気がつきませんでした。依頼者は、自ら警察にも捜索願を出していたのです。実際は虚偽申告をしていた可能性が高いでしょう。このように、夫は多方面から犯行隠蔽を図っていたことになります。

警察からの捜査関係事項照会書

依頼者の逮捕からしばらくして、捜査担当の警察署から連絡が入りました。犯人(依頼者)が、我々に行方不明者の調査を依頼した事がわかり、どのような調査をしたか聞かれました。我々は、警察から捜査関係事項照会書を受けて、依頼事項や報告内容についての詳細を警察に提供しました。

もし、最初から警察が夫を容疑者としていたなら、警察は捜索願の受理を拒否していたでしょう。警察が捜索願を受理して、受理番号が発行されていたことで、我々も疑うことなく、捜索依頼を受任していました。真犯人であった夫は、自分の犯行を隠蔽する為に、探偵社だけではなく警察までも悪用していたことになります。

いずれにしても、父が母を殺した家庭に生まれた依頼者の4歳の息子の境遇が気の毒でならず、我々は暗い気持ちになりました。

まとめ

人探しの調査においては、足を使った現地調査だけではなく、携帯電話やPCのフォレンジック、クレジットカードやキャッシュカードの記録などを使用する必要があります。残された情報が少ないほど調査の難易度は上がり、コストも高くなります。探したい人がいる場合、まずはどのような情報を持っているか、残された物品はないかなどを確認することをおすすめします。

Japan PIでは無料相談を受け付けています。何かお困りのことがありましたらお気軽にお問い合わせください。

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