探偵事件簿 – カルト教団信者の所在調査

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東京都在住の、50歳代の夫婦(依頼者)から、20歳の娘(本人)の所在調査を依頼されました。大学生の娘が新興宗教に入信したあと、教団施設に住み込むようになり、連絡がとれなくなっていました。

入信した教団の情報は把握していますが、その教団には信者が共同生活する施設が多数あることが分かっています。

家庭の状況

本人の父親は、東京大学出身で大手商社に勤務するエリートでした。教育熱心な家庭の中、本人は、一浪して、一流私大に合格しました。しかし、それでは、本人の父のプライドが許しませんでした。

「東大以外は、全員落ちこぼれだ。お前の塾や家庭教師にどれだけお金を使ったと思っている?」

本人の父は、こう言い放ったといいます。

大学入学後、本人は、何のためにいい大学に入るのか、何のためにいい会社に入るのかそういったことに疑問を持ち始め、両親との間に徐々に溝が深まっていっていました。本人は真面目な性格だったため、生きることの意味に疑問を持ち始め、深い悩みを抱えていました。

そんな時期に、新興宗教の勧誘を受け、生きることの意味や社会の心理についての研究会に参加し、どんどんのめり込んでいきました。

教団への連絡

本人の両親が教団に連絡しても拉致があきません。本人に取り次ぎを頼んでも、教団側は以下のよように回答するのみです。

「ご本人の希望で、両親とは取りつがないように言われています。残念ながら、ご本人とのお取次ぎはできません。」

そんなことで、どこでどのような生活をしているかも一切確認できませんでした。娘の携帯電話に連絡しても、着信拒否されており、電話も電子メールも LINE メッセージも全くつながりませんでした。ソーシャルメディアの投稿も一切ない状況でした。

教団からの寄付の催促

両親が教団に連絡を取っ後、教団の幹部信者が、本人の代理として、両親宅を訪ねてきました。

「ご本人は、信仰に帰依し、今までで一番幸せな生活を送っています。ご本人は、自宅に戻る意向はありませんが、彼女に祖父母から生前贈与されている東京都内の不動産資産に関しては、ご本人は、全て教団へ寄進したいと希望されています。手続きに必要な印鑑等をご本人にお送りいただきたいと存じます。」

幹部信者は、半ば、信者に持っている資産の寄付を強要しているように見受けられました。

初動調査

この溶断の対応は過激であり、本人は完全に洗脳されていて、深刻な事態に陥っていることが明らかでした。一刻も早く、本人の現状を突き止め、奪還計画を進めることが急務でした。

私達は、最初、教団の主要な礼拝施設を監視し、出入りする人物をチェックしました。昼間二日間開始しましたが、本人の出入りは確認できませんでした。ただし、若い女性の信者の多くが施設から昼間外出し、駅前や街灯などで勧誘活動を行っていることがわかりました。

この教団の拠点は複数あり、それぞれの拠点を、順次、モニタリングしていきました。

ある日、張り込みしてる間にある信者から調査員が不審がられ、たちまち10名前後の信者達に取り囲まれる事態がありました。調査員は、待ち合わせ時間までの時間潰しで路上で待機して休憩していたと回答してその場は逃れました。

しかし、後日その車両の名義人の住所に教団の信者が現れ、調査員が逆追跡される状況に陥りました。この教団は、警戒心が強くどんな手段を使ってでも邪魔者を排除したいという強い意思があるように感じられました。

行動調査だけでは、本人の姿を確認できないため、潜入調査をやらざるを得ない状況となりました。

潜入調査

行動調査で熱心な信者たちが駅前などの街頭で勧誘活動をしていることを確認していました。そのため、潜入調査員が、街頭で勧誘に引っかかり、教団内に潜入することにしました。対象者が女性なので、女性調査員が潜入した方が効果的です。私達は、女性調査員をアレンジしました。

ただし、工作員であることがバレれば危害を加えられる可能性があり、任務遂行には細心の注意が必要とされます。

ちなみに、教団施設内での信者が不審な事故死をしたとの事件報道が過去にありました。潜入調査員には、お守り型のエアタグを持参させました。問題が発生したら、別チームがすぐにレスキューするという取り決めにしました。

潜入調査初日

行動調査で判明している、信者たちの勧誘スポットで、チャンスを窺いました。信者たちが現れたところで、潜入調査員がさりげなく登場しました。勧誘信者は、手当たり次第に声をかけているので、導入部分はこれで、完了したも同然です。

勧誘に誘導された潜入調査員は、信者に教団施設へ連れて行かれました。その日は、調査員は他の信者から手厚い歓迎を受けました。皆が家族のように接し、教団の信仰についての基礎知識、教団の信仰に帰依することがいかに素晴らしいことであるか、手ほどきを受けました。

初日は、数時間の説明を受けただけで、調査員は、開放されました。

潜入調査の経過

2回目以降潜入調査員は担当信者と連絡をとって教団施設へ通うことになりました。数回、施設へ通った後、教団から教団施設の合宿生活をするよう勧誘されました。当然の流れですが、そこから、調査員が、奥深く教団施設内に潜り込むことになりました。

教団施設に入所する際には、教団側は調査員の身元確認のために、身分証の提示やその他基礎的な個人情報の開示を求めました。先に調査員は偽名や架空の住所伝え身分証は今度持っていきますととぼけて何とか身元確認を逃れましたしかしそのアンケートでは本人のものばかりではなく本人の親族の職業名前資産状況また本人の収入等についてまで事細かに質問を受けました。

本人の所在判明

潜入調査員が住み込み初めて約1週間後、ついに本人の所在が判明しました。本人は男性の競争の秘書的な役割を担っており、常に男性教祖の傍につき従えている状況でした。本人と教祖との距離があまりにも近いため、本人は教祖と肉体関係があることが窺えました。

本人はカルト教団にマインドコントロールされている上に、さらに教祖の愛人になっているので、本人の奪還は非常に困難であることが予想されました。

くも膜下出血で父が倒れる

調査依頼から約1ヶ月後、本人の所在が判明したことを依頼者に伝えたところ、依頼者側に悪い知らせがありました。本人の父親がその前日にくも膜下出血で倒れて、緊急入院したとのことでした。

本人にそれを伝えようにも、教団側本人との連絡を取り次がないため、父の容態の伝言すら難しい状況でした。本人の父は一命をとりとめたものの、半身不随と言語障害の症状が残り、回復できるかどうかはこれからのリハビリ次第だということでした。

人身保護請求

私達は、依頼された任務を遂行し、本人の所在を判明させましたが、次に、本人を奪還するには、どうするか知恵を絞る必要がありました。本人が洗脳を受け、自由を束縛されている状況であることから、結果的に、弁護いを代理人とした人身保護請求の申し立てを行うことになりました。

人身保護請求はマインドコントロールされている人物を宗教施設から離脱させるときに用いられる最終手段です。ただし、もともとこの制度は警察による不当交流に対抗するための手段です。片親による子供の連れ去り事案などでも利用されますが、成人に対しての適用事例はさほど多くありません。

本人はカルト教団に洗脳されているのは明らかですが、本人が自分の意思で信仰していると主張すると、請求が認められるかどうか微妙です。

ただし、私達の調査で、教団側が本人との連絡を遮断していることや、本人が常に教祖と行動を共にしており、自由に行動できる状態でないことが確認されています。それが、請求を認めさせる有利な材料となります。

担当弁護士が、私たちの調査報告書を元に、人身保護請求の疎明資料を作成しました。人身保護請求の決定にはスピードを要するため通常の裁判とは違い、1ヵ月半程度で決定が下されます。

裁判所の審問

申し立てから約1ヶ月半後、依頼者側の主張が認められ、ついに、人身保護請求が認められました。

人身保護請求が認められると、被拘束者(調査対象の娘)に、弁護士の代理人がつくことになります。国選代理人を選任することも可能で、申し立て者が、その弁護士代金を予納することも可能です。

裁判所の審問期日に、被拘束者とその代理人が呼び出され、申立の疎明資料に基づく取り調べが行われます。万が一、拘束者が裁判所への出頭を拒否した場合、裁判所は執行官を使い相手方を強制連行(勾引)することになります。

教団関係者が審問の呼び出しを無視する懸念がありましたが、結果的には、教団関係者は、本人を伴って、裁判所に現れました。

本人の母親が、くも膜下出血で倒れて病院のベッドに寝ている父の、娘へのビデオ映像を用意していました。ビデオの中で、父は、おぼつかない口調で、絞り出すように話しました。

「東大以外は落ちこぼれだ、なんて言ったけど、そんなこと言ったのを、お父さんはすごく後悔しています。ごめんね。人生で一番大事なのは、家族だよ。本当に困ったときに助けてくれるのは家族だけだよ。」

本人が外界との連絡を遮断されていたり、自由に外出できない状況に置かれていたことから、本人は人身保護請求の申立者である親族に引き渡されることになりました。

本人は、父の弱った姿を見て、我に帰り、実家へ戻ることを決意したそうです。

まとめ

カルト教団に洗脳された人物の奪還作戦では、所在を判明させ、対象者の現状を確認しないと、作戦準備や法的手続きを実行できない場合があります。
こうしたトラブルの解決のために調査活動を行える職種は、探偵興信所しかありもせん。
素行・調査調査のニーズがありましたら、お気軽にご相談ください。

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