東京の探偵が語るテレワーク活用術

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探偵業のように専門スキルが重要なウエイトを占める業種では、テレワークで効率化された余暇時間をスキルアップのために割くことができます。しかし、テレワークはメリットばかりではありません。探偵業者の事業規模に起因するデメリットもあります。今回は、テレワークのデメリットとその対策についてご紹介します。

テレワークの健康管理

完全に自宅内での業務となれば、運動量が圧倒的に少なくなるのが自明の理です。加えて、自宅内では、同じ姿勢で、延々PC作業を継続することになります。エコノミー症候群やキーパンチャー症候群といった職業病にかかる可能性があります。

立っても、座っても、歩きながらでも

タスクが進行しさえすれば、どんな姿勢で、どんな機材で作業しても自由なわけですから、最も体に負担の来ない作業方法を自分なりに工夫することが大切です。極端な話、その姿勢が楽なのであれば、寝転がって作業してもいいわけですし、部屋の中で歩きながら、スクワットや腹筋運動をしながら、携帯電話やタブレットで作業してもいいわけです。

テキストの入力では、必ずしも、着席してPCのキーボードを使う必要はありません。携帯アプリの音声入力(Google Voice Typing)を使用する機会も増やし、手や肩や腰への負担を低減させる工夫も重要です。

エクササイズの習慣

また、エクササイズを習慣化しておかないと、生活習慣病等に罹患する確率が高まります。1日10分でもエクササイズをする習慣を定着させましょう。エキササイズが難しい場合、1駅先のスーパーまで徒歩で買物に行くなど、無理にでも体を動かす機会を増やさなければなりません。

自宅内業務環境の確立

テレワークでは、必然的に、家庭に仕事を持ち込んでしまうことになります。仕事とプライベートの境界がはっきりしなくなり、生活のリズムが崩れる危険性があります。

子供がいる家庭では、仕事をしている大人の緊張感が、家庭不和を招くかもしれません。逆に、家族が間近にい過ぎて、仕事に専念しにくい環境となっている場合もあります。家族とは言え、家族どうしで適度に距離を置かないと不必要な摩擦が生じてしまいます。

PC・ネット機器・モニター・ビデオ通話機といったテレワークに必要な機器を持っていない人は、始めから買い揃える必要があります。その初期費用の負担がデメリットのひとつです。

テレワーク環境を整えるため、カフェやコワーキングスペースに行く方法もありますが、コストもかかりますし、毎日どこかへ通うならオフィスに出勤するのと大差がなくなります。

仕事のスイッチのルーティーン

自宅での作業だと、仕事とプライベートの切り替えが難しくなります。そのため、仕事のスイッチのルーティンを確立する必要があります。ルーティンを行えば、自分自身に強制的に仕事のスイッチを入れるという何かを確立しましょう。
例えば、ポモドーロタイマーのアプリを携帯電話に入れて、タイマーをスタートさせた瞬間に強制的に自分にスイッチを入れる、というのも作業効率を高める工夫の一つです。詳細はWikipediaにも記載があります。

ポモドーロテクニック Wikipedia

他に、仕事用のデスクや端末を決めておき、その準備が整ったら業務を開始するとか、特定のスペースを業務用のスペースとして決めておき、そのスペースに入ったら業務モードになるなどの工夫が有効です。また、ルーティーンとは言えませんが、自宅での作業であっても、洋服を着替えたりコーヒーを飲んだり身だしなみを整えたりして、就業時間にすぐに業務を開始できる準備をすることもリズムを作る工夫の一つです。

仕事とプライベートと家庭の両立

家族と同居の場合、仕事とプライベートと家庭生活の三つを両立させる必要があります。テレワークで自宅勤務になると、自宅での食事回数、掃除や洗濯の回数も当然増えます。そうすれば、家事を担当する家族の負担が増加するわけです。

家事当番制

そうなれば、家事の分担を当番制にして、家族間で不満が出ないように調整する努力が不可欠となります。

例えば、以下のような分担を考えます。

  • 3食のうち、朝と晩は、妻が料理を担当し、昼間は、夫がランチ作りを担当するか、弁当を購入する。
  • ◯曜日と◯曜日は、夫が洗濯と掃除を担当する。
  • ◯曜日と◯曜日は、夫が子供の家庭教師をる。

家庭不和の禁句リスト

また、一方が仕事をしている時に、他方はテレビを見ていたり、昼寝をしていることもあるでしょう。自宅でのテレワークでなければ、家族間のプライベートがキープされていたはずです。しかし、自宅テレワークでは、家族間のプライベートの境界もなくなり、そこに摩擦が生じます。この問題も想定して、うまく調整を図る必要があります。つまり、家族間の協調性や相手を許す寛容の精神が重要な要素となってきます。

例えば、もし夫の収入が低下傾向にあると、専業主婦の妻は自分は昼寝ばかりしていたとしても収入の低下に不満が出ます。他の家庭との比較で無いものねだりをすることもあるでしょう。


「◯◯さんの家では給料が上がった、ボーナスが出て家族旅行に行った、高級車を購入した、子供が◯◯大学に入って、下の子も進学塾に毎月〇〇円かけている……」等といったことです。

日本の探偵業務の会社で大企業はありません。大手の一流企業の社員に比べると、給与レベルが劣ってしまうのは自明の理です。


自宅でのテレワークの業務では、逆に、夫は同僚と妻から侮辱を受けたことの不満を言うこともできません。テレワークでなければ、繁華街に出て、バーやラウンジで憂さ晴らしをしていたことでしょう。


「うちのかみさんは、専業主婦のくせに、食事も手抜きしている、、、昼寝ばかりしている、、、働かないくせに、スポーツジムでパーソナルトレーナーを雇っている、、、他の家と比較して俺の収入が悪いとなげいている、、、」


お互い不満があるにせよ、ネガティブな言葉は、発信してしまった瞬間に大変なインパクトを及ぼします。沈黙は金と言われている通り、絶対に言ってはいけない言葉を想定しておき、禁句リストを作成しておくのも有効ではないでしょうか。

新規機材の導入と経営者の理解度

映像編集や高精度なサーバー環境が必要な業種以外では、ハイエンドなデジタル機材を導入する必要はありません。またテレワークを導入するということはクラウドサービスを中心的に活用するということになります。従ってクラウドサービスへアクセスするデジタル機器は中程度のスペックで十分です。視認性を向上させるためにデュアルモニターを活用することは効果的です。ただし、本当のデュアルモニターでなくても、クラウドサービスを積極活用しているのであれば、ノートPCの画面とタブレット、あるいは、携帯電話の画面で同一ファイルを開くことで、デュアルモニターの代用とすることも可能です。零細企業では、こうした工夫をすることで、新規機材の導入コストを下げることが可能です。

毎日、同じ環境で仕事をすると能率が低下する可能性があります。環境を変えながら仕事をすることは、大変効果的です。リフレッシュの為に、カフェ等へ出向いて作業を行うことは、テレワークを効率的に継続する秘訣のひとつです。ただし、毎日同じカフェで作業するのであれば、オフィスに出勤するのと変わりがなくなります。あくまでも、作業環境を不定期に変えることにリフレッシュ効果があることに留意し、雇用者側でこうした経費を、月に数万円まで許可するなどの経費規定を設けることが得策ではないでしょうか。

モチベーションの維持

テレワークになると、同僚と直接会が無くなり、たった一人で仕事に臨むため、自分でモチベーションを維持対策が必要となります。上手くいっても褒められませんし、失敗しても責められません。オフィスにいれば上司の指示、ライバル社員との競争により自然と努力できます。急にこれらがなくなると、モチベーションを維持することが難しくなってきます。

逆に、テレワークにより効率的な業務に目覚め、オーバーワークになってしまうケースもあります。休憩時間も取らずに、暴走気味に仕事に没頭し、気が付くと本来のタスク範囲を超えたオーバーワークになってさしまうことがあります。テレワークに適合していくためには、できた人は、仕事のスイッチを切り替えるルーティンを確立し、リフレッシュタイムをとりながら、仕事とプライベートを両立させなければなりません。

他者との比較ではなく、自己成長を評価する

テレワークでは、他者と比較した評価に絶対に惑わされないことも重要です。他人との比較で自分を評価するのではなく、昨日の自分より今日の自分が進化している、希望や目標を独自に設定し、それに少しでも近づいた自分を自己評価するという、モティベーション作りが必要です。そういう意味で、ブレが生じない強靭な精神力を養う為に、エクササイズで肉体を強化する自己管理が求められます。

コミュニケーション

テレワークでは、社員同士でのコミュニケーションは通勤業務に比べ、各段と減り、放置しておくと、次第に弊害が顕著となってきます。オフィスで共同作業をすることに比べ、テレワークでは、意思伝達の頻度が減り、細やかな説明ができなくなりがちです。そのため、部下が間違った取り組みを起こすことがあります。新人や若手も、仕事を覚えづらい環境となってしまいます。

テレワークだからこそコミュニケーションをどんどん増やす

この弊害を解消するためには、電話・ビデオ通話・チャット等を活用し、オフィスの共同業務より、コミュニケーションの頻度を何倍も高める努力が必要です。会社内で例えば以下のような企画を立て実行していく必要があると思います。

  • 毎週決まった定例のミーティングを開催する
  • 定期的に、同僚同士で仕事以外の話題を話すグループオンラインミーティングを開催する
  • 業務の内容を説明するオンラインビデオセミナーを定期的に開催する

緊急事態宣言などの発令で、急遽テレワークを導入せざるを得なかった企業もあるでしょう。しかし、テレワークの導入前には、オンラインコミュニケーションで支障が出ないよう、しっかり上司部下・同僚同士等でチームワークが機能する環境が整うよう真剣に考えて行かなければなりません。交流を深めておく必要があります。逆に、テレワーク時は、複雑な指示を出さず、業務を個人の裁量と自主性に任せ、単純な指示に換えることも対策の一つかもしれません。

探偵テレワークの効果

では、探偵社のテレワークはどうでしょうか。まず、私達探偵業者のほとんどは零細企業です。したがって、大企業ほどテレワークによる恩恵を受けていないのが結論です。私達零細企業の売上は大企業に比べれば低いです。しかしそれは、コストもかかっていないということです。通勤手当を例にしましょう。通勤手当が1万円/月の場合、社員100人の大企業は100万円をカットできます。100万円あれば、中堅社員2人分の給与に充填することができます。しかし、社員数2人の零細企業は2万円のカットしかできません。2万円では2人分のコースディナー程度です。2人分の給与と2人分の食事では、ウェイトの違いは一目瞭然です。

スピード感

零細企業の強みの1つに、スピードが挙げられます。重要な意思決定をする際、大企業であれば現場担当者→その上司→その上司の上司・・・と、承認を待たなければいけません。大企業は規制や政策といった会社を取り巻く環境も多様です。しかし、零細企業はその場で、もしくは上司(代表)一人の承認だけで済みます。取り巻きも少ないため、スムーズな意思決定が可能です。

零細企業では事業規模の性質上、意思決定が迅速です。ですから、テレワークを効率化や省力化の為にのみ活用するのではなく、テレワークでのコミュニケーション不足や顧客サポートが欠如しがちな欠点を理解した上で、より密接なコミュニケーションを心がける必要があります。必要以上に効率化しすぎて、本来の対応キャパシティを超えた業務量を処理しようとすれば、品質低下や重大な業務ミスにつながる恐れがあります。

品質管理の徹底

探偵は依頼人の重大な問題、対象者の深いプライバシーといった、デリケートな領域の職種です。医療機関クラスの慎重さ、ファイブスターホテルのような丁寧さが必要です。スピーディーさにこだわり、冷静さに欠け、不要な接近をして対象にバレるケースもあります。膨大な依頼を抱え、メール送信を間違い、情報漏洩となるケースもあります。品質や時間のかかる方法にシフトしても、フット―ワークの良い、高品質な調査を提供できているのが現状です。

ノウハウ、スキルの獲得

もう1つの強みに、良質なコミュニケーションが挙げられます。私達探偵社は代表から直接末端の部下に指導することができ、理想的な育成をすることができます。末端の部下から現状報告を受けることで、調査計画の管理もしやすいです。部下からすれば、会社に必要なスキルが把握しやすくなるため、早くから会社に貢献できるようになります。また、より多くの達成感を得ることができます。

私達の業務領域は個人から法人の依頼人、住宅街から都市の現場、行動調査から与信調査のリサーチと千差万別のため、各現場で一つ一つ、高度なノウハウを丁寧に伝授する必要があります。訴訟、犯罪、離婚、親権と機密事項に関わるため、部下が間違って情報漏洩しないよう、日頃からしっかりコミュニケーションを取り、監督する必要があります。毎日、注意指摘することで、厳重な情報管理能力を当たり前にさせなければいけません。

まとめ

探偵業務は、現場教務に関しては、元からフットワークが軽く、社内コミュニケーションが密である特色があるため、テレワークによって劇的に業務効率化が期待できるわけではありません。むしろ、テレワークを導入していることで、ミーティングや食事会といった交流を増やし、社員同士の意思疎通の障害が発生しないための対策が必要です。事業規模が小さい会社、専門性の高い会社では、これが共通舌対策だと思われます。リスク管理やリスク対策の専門業務である探偵業者としては、このような、事業リスクの断片を見逃さず、率先して働き方改革の模範を示せるビジネスモデルの構築に取り組んて行きたいと思っています。。

東京のような大都市だと、時代とともに技術の変遷が目まぐるしく起こります。町の様子も刻一刻と変化していきます。そのような変化に対応できる調査やスキルを日頃から身につけておく訓練が必要となります。

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